【野球】新庄ハム2位躍進 参考にした岡田采配 「神様」みたいな人からもらった監督として最高の褒め言葉

 就任3年目でチームを2位に導き、初のCS進出を決めた日本ハム・新庄剛志監督(52)。今季躍進の裏には阪神・岡田彰布監督(66)の采配から学んだこともあったという。現役時代は雲の上の存在でもあった岡田監督。今季限りでの退任が決まった中、2年間の新庄監督の思いを振り返る。

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 エスコンフィールドの監督室にテレビが5台。さらにiPadを2台。新庄監督は最大七つの画面を使う。試合前や試合後、日本ハムの1、2軍の試合はもちろん、セ、パ両リーグの試合やアマチュア野球まで目を通してきた。相手の戦力分析でもあり、気になる作戦や采配にはペンを走らせて自らの糧としてきた。

 参考になったものには、阪神・岡田采配もあった。かつて「岡田さんの頭の良さ、采配の勘というかすごさ。動画でもよく見させてもらっているんですけど、さすがだなと思わせるところがある」と話していた。「勉強させてもらった」とも明かしていた。

 具体的には、今年4月24日の阪神-DeNA戦(横浜)、1-3の九回無死一、二塁の場面。中野に強攻させると、中前打を放ち逆転につなげた試合があった。新庄監督は「同点にいかないんだ、打たせるんだって。中野君が応えてセンター前を打って。そういうところ」と言う。犠打で一打同点の場面を作るのではなく、逆転につなげた強攻策に感服したという。

 昨年の交流戦後には「勉強しながら、このケースでどういうふうにしていくんだろうというところの楽しみもあったし、さあこっちも何か仕掛けたいなという気持ちもあったし」と話していた。戦いの中で采配合戦を楽しんでいた。

 岡田監督退任が発表された今月6日、一報を聞いて「決まったんですか?」と驚きの表情。「体調もあれだったんでしょうね。しゃべるときも喉の調子も悪そうだったし。まあでもね、2年って決めていたんじゃないですか?」と少し寂しそうに話した。「キツそうだったし。僕も同じぐらいです。そのしんどさは」と自らと重ね合わせた。

 岡田監督の人となりを問われると、「知らない、オレ。勉強させてもらってたけど、選手時代もしゃべったことないし。もう神様みたいな人だったから。岡田さん、真弓さんとか。ちょうど入れ替わりの時だったし」と現役の頃を振り返る。今年5月30日。甲子園での試合前メンバー交換の際に言葉を交わした。「『お前、あんなパフォーマンスせんでも、勝てるチームや』と、言ってくださって」と心底うれしそうな表情を見せた。雲の上の存在からの、最高のほめ言葉だった。(デイリースポーツ・鈴木創太)

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