【野球】DeNA 阪神・岡田前監督も絶賛した牧の献身的姿勢 好機で進塁打優先→決勝点を呼び込む「何回も見たよ」

4回、2ランを放ったDeNA・牧(手前右)を満面の笑みで迎える阪神・岡田監督=7月23日
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 「JERA CSセ・ファイナルS・第3戦、巨人1-2DeNA」(18日、東京ドーム)

 DeNAが3連勝で日本シリーズ進出に王手をかけた。巨人のバッテリーエラーで決勝点を挙げた同点の五回、見逃せないシーンがあった。

 先頭の梶原が安打で出塁すると、続く牧の打席で二盗を決めて得点圏に進んだ。この時点でカウントは2-2。DeNAからすれば三振だけは避けたい状況だ。

 巨人・赤星が投じた5球目、内寄りに落ちたフォークは厳しいボールだった。この1球に対し、牧は強振することなく、コンパクトにポンとバットを出して三塁と投手の間へ転がした。ボテボテのゴロだっただけに、梶原は三塁へ進塁。タイムリーや一発を狙えば空振りしている可能性も高かった。強くスイングすれば左方向へ痛烈なゴロとなって二塁走者は進塁することができなかったかもしれない。

 いろんな状況を鑑み、最低限ながら最高の進塁打を放った牧。三塁に進んだ梶原は2死後、相手のバッテリーエラーで決勝のホームを踏んだ。中心打者が見せた献身的な姿勢。それはこの試合だけではない。

 今季限りで退任した阪神の岡田彰布前監督はシーズン終盤、こう牧の打撃を評していた。「DeNAの牧なんかノーアウト二塁なったら自分でセカンドゴロ打ちにいっとるよ。何回も見たよ。ベンチでみんなから握手を求められてる。あれサインじゃないと思うよ」。右打ちや進塁打のサインが出なくても、どうすればチームを勝利へ導けるか。敵将が肌で感じていた部分が、短期決戦で流れを呼び込んだ。

 さらに守備でも1点ビハインドの三回1死満塁の状況で、大城卓が放った二遊間への痛烈な打球を横っ跳びでキャッチ。倒れ込んだまま二塁へトスし、併殺を奪って相手に追加点を与えなかった。大量失点につながっていてもおかしくない状況だけに、価値あるワンプレーだった。

 いずれも巨人との競り合いを制しての3連勝。シーズン中から細かい野球がと指摘されていた中、ポストシーズンではきっちりとした野球ができている印象だ。一気に王者を押し切って日本シリーズ進出を決めるのか-。ファイナルSでは打率・100でも、快進撃の源は牧の献身的な姿勢にあると言える。(デイリースポーツ・重松健三)

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