【野球】カープ育成ロベルトが目標とする選手とは? 高い野球頭脳と身体能力で1軍レギュラー食い込める逸材へ成長

 広島の育成外国人選手、ネルソン・ロベルト外野手(24)の評価が上昇中だ。昨秋にドミニカカープアカデミーから練習生として来日し、今春に球団と育成契約を締結。日本で初めてのシーズンを送り、日々成長を続けている。高い野球頭脳と身体能力で来季の外野手争いに食い込んでくる可能性を秘める。

 身長191センチ、体重104キロの巨体には大きな夢とロマンが詰まっている。外国人とは言え、立場は育成選手。他の日本人の若手と同様にこの秋、ハードなメニューで汗を流すロベルトは「いろんな勉強をしたり、コーチからいろんなアドバイスをもらえている。ずっとは打てないけど、なんとか良くなってきていると思うので、頑張ろうと思います」と充実感を漂わせている。

 日本での初めてのシーズンとなった今季はウエスタンで62試合に出場して打率・203、2本塁打、16打点。決して高い数字ではないが、夏場からは二塁打を量産し、8月以降の長打率は・425だった。自身の長所については「外野へのヒットを二塁打や三塁打にできるところ。足が速いからね。あとはいろんなボールに対応できるところだと思う」と話す。

 走攻守の三拍子がそろったタイプと言えるが、パワーが魅力だ。10月31日にマツダスタジアムで行われた紅白戦では中堅のフェンス上部に大飛球。中堅手のホームランキャッチで惜しくも柵越えとはならなかったが打撃力の高さを見せつけるには十分だった。秋季キャンプでも13日の練習試合・西武戦(天福)で右翼フェンス直撃の適時二塁打を放ち、打棒に磨きがかかっている。

 常日頃からロベルトを指導する福地2軍打撃コーチは「彼は賢い。こちらが言ったことを理解してくれるし、配球もしっかり読んで打てる。足も速い。守備はもう1軍でもやっていけるところまで到達している」と目を細める。長打力不足のチームが求めているポイントにも合致。「なんと言っても右打ちの外野手だしね。来年もしかしたらあると思う」と1軍のレギュラー争い参戦すら予感させている。

 ロベルトにはロールモデルとするべき人物がいる。「日本に来て、スワローズのサンタナ選手を知って見るようになった。あそこまでの選手になりたい、サンタナ選手はそう思わせてくれるバッターです」。同じドミニカンの右打ち外野手。背格好も似ており、「いつも彼のバッティングの映像を見ている。逆方向に大きな打球を飛ばすことができる点がすごいと思う。そんなバッターになりたいんだ」と目を輝かせながら言った。

 「今の目標は来年1軍で出場すること。頑張るしかない」とバットを振り込む日々。憧れのサンタナと同じ舞台に立つべく、日本式の練習にも必死に食らいついていく。(デイリースポーツ・畠山賢大)

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