【野球】広島・常広が来季を見据えた取り組みとは 新球習得!?と思いきや-

 広島・常広羽也斗投手(23)が1年目のシーズンを終えた。春は調整の遅れで練習に制限がかけられていたが、秋季キャンプでは連日のブルペン入りや多くの実戦を経験するなど、無事に完走。野球漬けの秋の中に見えた、来季を見据えた取り組みに迫った。

 2年目の飛躍に向け、収穫の秋になった。常広は自身初の秋季キャンプを振り返り「12月、1月にどういう練習をするのかを決める期間でもあった。そういう意味では何をしたらいいのかはつかめた。いい時間になった」とうなずいた。

 常広の野球に対するクレバーさが垣間見える場面が多くあった。とある日のブルペンでのこと。「チェンジアップいきます」。右腕からは聞き慣れない球種だった。次々と投げ込む姿に、新球種習得に励んでいると思っていたが、本人からは意外な言葉が飛び出した。

 「チェンジアップを使うつもりはないので」

 投げている意図を聞くと「チェンジアップは胸を張って投げないと、良いチェンジアップを投げられない。それが真っすぐにも通じると思って。真っすぐがよくなるヒントになるかなと思って投げています」と説明。「感覚的なところが大きい」と理想の動きを体現するための過程であることを明かしてくれた。

 実戦のマウンドでは常に結果ではなく、内容を重要視していた。今秋最後の実戦登板となった19日の紅白戦。先発し、2回無安打無失点、5奪三振の快投を見せた。しかし、球数が40球に達したことに触れ「多いですね」と辛口評価。「三振が奪えることは自分の長所」とした上で「球数は少ない方が1年間を考えた時にはいい」と、すでに通年での活躍を見据えた言葉には来季、開幕から先発ローテで回り続けるという決意が込められていた。

 新井監督は秋の状態を見て来春キャンプでの1軍スタートを明言。常広自身も「(2月のキャンプイン時に)今ぐらいの感じで入れるように、肩周りやインナーをトレーニングしたい」と昨春の調整遅れの反省を生かし、今オフは体作りに注力する見通しを明かした。

 理想の投手像については「真っすぐ、カーブ、フォークで抑えられる投手」と話す。今季は初登板初勝利をマークするなど、大器の片りんを示した。さらなる進化を目指す背番号17から目が離せない。(デイリースポーツ・高橋涼太朗)

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