【ゴルフ】女子QT終了も希望を捨てるにはまだ早い理由 最大7枠出場権変動の余地あり

 女子ゴルフの最終予選会が11月26~29日に葛城GC宇刈Cで行われ、来季の前半戦出場優先順位が決まった。レギュラーツアーでの出場権確保を懸けた戦いは、結果にさまざまな感情が入り乱れた。QTランクは決まっても、厳密には来季前半戦をフル出場できるボーダーラインは確定していない。例年よりも最大7枠の出場枠変動の余地を残しており、鍵を握るのは現在進行中の米女子ツアーでの戦いだ。

 国内女子ツアーの来季シード権を持たない選手たちによる予選会が終わり、来季の優先出場順が確定した。“職場確保”を懸けた戦いは、まさに悲喜こもごも。来季は前半戦フル出場できる上位通過を果たしてホッと胸をなで下ろす者もいれば、今季不振でシードを喪失し、QTでも102位と大苦戦した菅沼菜々は「何をやってもうまくいかない」と大粒の涙を流した。

 QT失敗はシード争いにおいて、不利になることは言うまでもない。昨年のQTで政田夢乃はファイナルステージに進めず、菅楓華はQT後にスコア誤記が発覚して104位に転落。QTランク下位では、前半戦は年間8試合までの上限がある主催者推薦で出場するしかない。2人はルーキーシーズンの今季に最終日最終組を経験した有望株だったが、前半戦は出場試合数が大きく限られた。

 プロテストと違ってQTには明確な合格ラインはないが、ボーダーラインと言われるものはある。ツアーの優先出場順はシード、準シードから降りていき、残った枠にQT(第1回リランキング実施以降はリランキング順)での出場資格が割り振られる。同資格の出場枠は最も少なくても35人前後になることから、35位付近がボーダーになる。

 しかし、QTは終了してもボーダーはまだ未確定だ。行方を左右するのは現在行われている米女子ツアーの最終QTだ。同予選会には日本勢7人が出場。山下美夢有や岩井姉妹、原英莉花の来季国内シード選手、複数年シードと前半戦出場権を持つ吉田優利が戦っている。

 突破すれば米女子ツアーに主戦場を移す5人に加え、年間女王の竹田麗央は10月のTOTOジャパン・クラシック優勝で、既に来季から米国参戦を決定。ポイントランキング50位の上田桃子は今季限りでツアーを撤退した。米女子撤退を明言していない複数年シード保持者の稲見萌寧の動向もあるが、シード選手最大7人の出場枠が空く可能性が残されている。

 そのため、来季は前半戦フル出場のボーダーラインが大きく下がることが想定される。40位台中盤の選手でもフル出場のチャンスはあるわけだ。例年のボーダーに届かず複雑な表情を浮かべる者や涙を流す者を見てきたが、希望を捨てるにはまだ早い。(デイリースポーツ・中谷大志)

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