【野球】現役ドラフト初の2巡目成立も なぜ広島だけ?選手会「なかなか成立しない感じがしている」課題にも言及
2024年の現役ドラフトが9日、昨年に引き続きオンラインにより非公開で実施され、約1時間で終了した。史上初めて2巡目が成立した。
2巡目に関しては広島と日本ハムを含めた3球団以上が参加を希望したとみられる。2巡目に関しては広島に優先権があり、結果的に広島が日本ハムから鈴木健矢投手を獲得した。日本ハムは2巡目で獲得したい選手がいなかったため指名を辞退したかについて、議長を務めたNPB・保科求己法規室長は「その通りです」と明かす。
12球団の意思によって運営され、獲得する選手が決まるシステムである現役ドラフト。参加を希望した球団同士でのみ2巡目を実施することがルール化されている。NPB関係者によると2巡目の指名を希望した後でも途中で参加を回避することが可能だという。例えばA球団がB球団に欲しい選手がいたとした場合の話。何らかの理由でB球団が2巡目の途中で参加を辞退した後でA球団がB球団のほしい選手を獲得することは不可能で、指名を回避するしかないシステムだ。
日本プロ野球選手会の森忠仁事務局長は「いいメンバーが移籍できていた。環境を変えてあげることは大事なこと。2巡目での移籍が1人あったのは良かったと思う」と一定の評価をした。ただ「2巡目がなかなか成立しない感じがしている。球団が途中で手を降ろすルール。リストアップしているということは出していい判断を(球団が)している。取りたい球団があるのならそういうところも含めて協議できたらいい」と説明した。
現役ドラフトの本来の趣旨は“出場機会に恵まれない選手の救済”。であるならば12球団の現役ドラフトにリストアップされた選手たちに、もっと移籍先や活躍の場を与えるようなシステムになってもいいはずだ。(デイリースポーツ・伊藤玄門)