【野球】広島伝統の出世背番号を背負う思いとは 今季まで「51」着用の小園「プレッシャーもあった」
広島には出世番号と呼ばれる背番号がいくつか存在する。代表的なのは今季まで小園海斗内野手(24)が背負った「51」と、内田湘大内野手(20)が背負う「63」。代々引き継がれてきた伝統を背負う選手たちの思いに迫った。
広島は今オフ、4選手の背番号変更を発表した。その中の1人、小園は来季から背番号が「5」に変更となる。「51」を背負った6年間を振り返り、安堵(あんど)の表情を浮かべた。
「恥じないようにできたかは分からないですけど、伝統を引き継げてよかったと思います」
18年度ドラフトで4球団競合の末、カープに入団。球団から託されたのは、そのオフに背番号を「1」に変更した鈴木誠也(現カブス)が背負っていた「51」だった。かつて江藤智、前田智徳も着用した番号。「プレッシャーもあった」と大きな期待を番号から感じ取っていた。
6年目の今季は自身初の全試合出場を果たし、打率・280、2本塁打、61打点と複数の項目でキャリアハイを更新。活躍が認められ、一流選手の証しでもある1桁の背番号をつかみ取った。来季、「51」は空き番となる。「プレッシャーがある中で成長させてもらった。また出世番号として着けてもらいたい」と未来の若鯉に後を託した。
背番号「63」を背負うのは、来季が高卒3年目の内田だ。将来の大砲候補も小園と同じく“宿命”を感じている。
「プレッシャーはありますね。自分の番では終わらせたくないです」
同番号は近年まれに見る出世番号となっている。08年から丸佳浩が6年間、14年から田中広輔が2年間、16年から西川龍馬が7年間着用し、内田に受け継がれた。「龍馬さんからいただいた時に『63番を頼んだ』と言われた。番号にとらわれるわけじゃないですけど、僕が活躍すれば、この番号の価値も上がると思う。楽しみながら引き継げるようにしたいです」。今季最終戦でプロ初安打をマークした有望株の活躍が期待される。
先輩たちが築いてきた歴史の重みを感じている若鯉たち。出世番号を背負うプレッシャーも感じながら、それを跳ね返す出世をもくろむ。(デイリースポーツ広島担当・高橋涼太朗)