【野球】取材を通して見た佐々木朗希の素顔 報道陣には落ち着いたクールな表情でも…
佐々木朗希投手(23)が、5年間在籍したロッテを巣立つ。ポスティングシステムを利用し、熱望していたメジャーへ挑戦する。普段はクールなイメージの右腕だが、南香穂記者が担当した2年間の取材を通して見えてきた素顔は、仲間思いでまっすぐな性格だ。
濃密な5年間をロッテで過ごし、海を渡る。ポスティングシステムを利用しメジャー挑戦へ歩み出した佐々木。普段、報道陣には落ち着いたクールな表情を見せることが多かったが、素顔は仲間思いでまっすぐな男だ。
担当が同じ柳沼アマスカウトで、親交が深かった河村は「仲は良かったですけど、なんか生意気な(笑)。先輩と思われてないけど、かわいい後輩ですね」と話す。
柳沼アマスカウトが担当した選手らが集まる「チーム柳沼」の食事会が今月開催された。毎年の恒例行事で、今年も佐々木、河村、田中楓らが参加。河村は「野球の話が多いですね。あと、どこのすしがうまいとか教えてくれます」と会話の内容を明かし、「アメリカで家をもし買うなら、ゲストルームだけつけてくれとお願いしたら、『考えときます』と言われました」と笑った。
帰りは自宅まで車で送ってくれたという。春季キャンプでは田中楓にマンツーマンで練習に付き合うなど、チームメートを大切にしている。
野球に対してはまっすぐだ。河村も「こだわりは強い。頑固で言ったことは曲げない」と話す。描き続けてきた夢に対して、ぶれずに一直線。高校時代はチームの中心に立って仲間を引っ張り、自分にも厳しくストイックに練習に励んできた。
現在はメジャー球団との交渉のため渡米中。代理人のウルフ氏は「日本での報道が非常に厳しく、つらい思いをしてきた」と佐々木の胸中を代弁した。報道陣を警戒している様子を感じることもあったが、右腕の気の利いたコメントに助けられたことも度々あった。
2月の春季キャンプで美白の秘けつについて聞かれた時に佐々木は「日々のケアです」と笑いを誘い、交流戦での阪神の印象について聞かれた時は「シーズンを投げ始めてから毎年阪神と当たっているので、愛着があります」とニヤリ。“阪神愛”を語ってくれた。
昨オフ、契約更改が越年となり、報道陣の前で「メジャーリーグでプレーしたい思いはある」と、きっぱりと口にしてから約1年。追い続けてきた夢を、ぶれない男が実現するときが来た。(デイリースポーツ・南香穂)