【野球】新井広島 先発ローテの枠1つ埋めるのは誰? 九里移籍で2年連続発生の〝○○の穴〟問題

 チームの痛手は若手にとってのチャンスとなる。海外FA権を行使して九里亜蓮投手(33)がオリックスへと移籍した。昨季の開幕投手が抜けたことにより、先発ローテーションの枠が1つ空いた。その座に収まるのは誰か。アドゥワ誠投手(26)、玉村昇悟投手(23)、森翔平投手(27)、常広羽也斗投手(23)らが虎視眈々(たんたん)とアピールに向けての牙を研いでいる。

 新陳代謝が加速する。カープにとっての2025年はそんな年になる予感が漂う。新井監督が「変化」を強調する中、九里のFA移籍で局面はまた1つ大きく動いた。新芽を欲する指揮官は「亜蓮が移籍したことで椅子が1つ空いた。奪い合ってほしいし、激しい競争が見たい」と待ち受ける2月の春季キャンプに視線を向けた。

 現状、今季の先発ローテは大瀬良、床田、森下が軸となる。注目はその先、4枚目以降の先発投手だ。昨季131回2/3を投げた九里の穴は小さくはない。得点能力に課題を抱える中、先発陣の出来も今季の鍵を握っている。

 昨秋のフェニックス・リーグとキャンプを経て、新井監督は「常広と玉村の2人は頭一つ抜けている感はある」と語った。高卒6年目の左腕・玉村は昨季15試合に登板して4勝5敗で防御率2・96。夏場には2戦連続完投勝利を挙げて一皮むけた。「亜蓮さんが抜けてチャンス。ここでグッといかないと、もうチャンスはやってこないと思っている」と鼻息も荒い。

 2年目の常広は才能の本格開花なるか。昨季はコンディション不良で出遅れるも、9月にプロ初登板初先発初勝利をマーク。150キロ超の直球と鋭く落ちるフォークに加えてカットボールを習得した。プロに入って身につけた武器も携え、「1年間1軍」を目指す。

 ここに昨季、完封星を含む6勝のアドゥワ、23年に4勝の森も争いに加わる。新戦力の部分ではドラフト2位・佐藤柳(富士大)は技巧派の即戦力候補左腕。現役ドラフトで日本ハムから加入したアンダースローの鈴木も23年に先発として6勝を挙げた実績者だ。

 ファームに目を向けると斉藤、高橋、高、遠藤などが秋のフェニックス・リーグ、キャンプでアピールした。22年度ドラフト1位・斉藤は黒田球団アドバイザーの指導も受けながら、キャンプで1日170球以上投げ込む日もあり、「もう3年目。(今年は)プロ初登板と言わずにローテ争いに食い込めるように」と飛躍を思い描く。

 2年連続で発生した“○○の穴”問題。昨年は西川龍馬の穴を埋めきれなかった中、新井監督は「若い投手には『俺が、俺が』と競ってもらいたい」と求める。開幕前に繰り広げられる火花散るバチバチの争いが楽しみだ。(デイリースポーツ・畠山賢太)

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