【野球】なぜ?DeNA「完全優勝」のキーマンはドラ1右腕の竹田 先発の即戦力として大きな期待を寄せられる理由とは
昨季26年ぶりの日本一に輝いたDeNAは今季、悲願のリーグ優勝と日本シリーズ連覇の「完全優勝」を狙う。目標達成に向けて、先発投手陣の充実がひとつのカギになり、ドラフト1位の即戦力右腕・竹田祐投手(25)=三菱重工West=には新戦力として大きな期待が寄せられている。
先発陣は球界を代表する左腕となったエースの東を筆頭に、来日2年目のジャクソン、ケイで3本柱を形成。計算できるベテランの大貫、平良らが続き、吉野や石田裕の若手右腕、中継ぎから先発転向に挑戦する伊勢、復活を期す石田健らが控える。球団にとってドラフト1位の即戦力投手は21年の入江以来となるが、新戦力の竹田が台頭すれば、チームに勢いと活気を生む。
8日から始まった新人合同自主トレでも、動きの良さをアピールしている。大卒で社会人を経験した25歳であり、落ち着きがある。なぜ、竹田は「即戦力」の期待がかけられているのか。それは心技体が充実しているからだ。
まずは強靱(きょうじん)なメンタル。明大4年時と、ドラフト解禁年となった一昨年に2度の指名漏れを経験している。試練を経てのドラフト1位入団。入社3年目の昨年は大事な試合を任され、結果を残した。会社を背負う自覚はプロでも必ず生きる。
次に高いスキルだ。最速153キロの直球に多彩な変化球を交え、抜群の制球力で打者を封じるスタイル。決して派手さはないものの、球団関係者は「トータルでの投球術が優れているタイプで、ゲームメークの能力がある実戦向きの投手。3球で1ボール2ストライクにできる制球の良さは真骨頂。カギはゲームでストライク先行できるか」と話す。
最後はタフなスタミナ。これまで大きな故障がない。長丁場のプロ野球は未知数だが、“無事之名馬”はひとつの能力でもある。ドラフト解禁イヤーに指名漏れを経験した大卒社会人のドラフト1位投手は、最近ではヤクルト・吉村の例があるが、竹田もアマ時代の豊富な経験値が武器となる。
今オフ、現役ドラフトで阪神から中継ぎ右腕の浜地を指名。電撃トレードも敢行し、俊足巧打の内野手・三森をソフトバンクから獲得するなどしたが、先発投手陣に関しては現時点で現有戦力のまま。竹田のローテ争い参戦が、チームの起爆剤となりそうだ。(デイリースポーツ・福岡香奈)