【野球】広島・菊池 大逆転劇を生んだヘッドスライディング
大逆転劇を生むヘッドスライディングだった。広島・菊池涼介内野手(26)は25日の巨人戦(東京ドーム)で値千金の同点打を放った。1点を追う九回2死三塁、菊池の三塁線への打球は村田に好捕されたが、一塁にヘッドスライディングして内野安打。土壇場で同点に追いついた。
球場全体の雰囲気がガラリと変わった。センター後方のカメラ席で撮影した私は、今夏の全国高校野球選手権大会の取材から間がなかっただけに、まだ甲子園球場にいるような錯覚を覚えた。これで勢い付いた広島は、一時4点差をつけられた試合をひっくり返し、両リーグトップの38度目の逆転勝ちにつなげた。
写真で分かるように、三塁手から送球されたボールは写真の画角の中に入っていない。つまり、余裕でセーフだったのだ。敢えてヘッドスライディングをすることによって、ナインを鼓舞し、押せ押せムードに拍車をかけた。
もちろん、お膳立てをした先頭打者の松山の中前打、西川の犠打と田中の進塁打、さらに勝ち越しの右越え適時三塁打を放った丸も立役者だが、菊池のヘッドスライディングが、ドラマチックな大逆転の起爆剤となったように感じる。(写真と文=デイリースポーツ・開出牧)