楽天・田中将 今季初マウンドへの思いが伝わってくる“謎の遠投”

 修正ポイントは体重移動か。遠投後に踏み台に左足1本で立つ楽天・田中将大=26日、楽天生命パーク(撮影・開出牧)
 投球フォームの修正か。踏み台を使って遠投をする楽天・田中将大=26日、楽天生命パーク(撮影・開出牧)
 左足を踏み出す位置に踏み台を置いて遠投をする楽天・田中将大=26日、楽天生命パーク(撮影・開出牧)
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 29日のオリックス戦に先発予定の楽天・田中将大投手(33)が、謎の踏み台で遠投をしている。

 26日、雨天中止となった楽天対ロッテ(楽天生命パーク)の試合前練習だった。ブロックに人工芝を貼り付けた踏み台に、左足を置いて遠投を始めた。過去にもやっていたと証言するカメラマンがいたが、この踏み台にまつわる記事や写真を私は見たことがない。興味を引かれ、あれこれと想像を膨らませながらシャッターを切った。

 踏み台を使った遠投を何度か繰り返した後にグラウンドレベルで遠投を繰り返す。恐らく、投球フォームを修正するためにやっているのだろう。矯正ポイントは主に体重移動ではないか。投げ終わった後、踏み台の上に左足1本で立つためには、バランスの良い体重移動が必要である。左足にしっかりと体重が乗れば、リリースするボールにロスなく力を伝えることができる。

 日米通算181勝の投手だ。確固たる投球理論を持っているだろうが、日米のマウンドの違いや年齢から来る衰えなど、環境や肉体の変化によって投球フォームが微妙に変わってくるのだろう。春季キャンプを取材した際に、ブルペンでボールを握ったまま入念にシャドーピッチングをする姿があった。

 コロナ禍の影響で記者が小まめに選手に話を聞けない状況だ。まだ記事化されていないのもそのためだろう。開門前でスタンドにファンの姿はなかったが、報道陣とロッテナインが注目する中で、なりふり構わず踏み台に足をかける姿に、今季初マウンドへの思いがひしひしと伝わってきた。(デイリースポーツ・開出牧)

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