すがすがしいバンザイだった。今季５勝目を挙げた女子ゴルフ・西郷真央（２０）＝島津製作所＝である。

　２２日、千葉市の袖ヶ浦ＣＣ袖ヶ浦Ｃで行われたブリヂストン・レディース最終日。西郷は１８番グリーンでウイニングパットを決めてバンザイ、そして優勝インタビューで２度目のバンザイを披露した。

　私は頭上に広がる五月晴れを意識して、広角レンズを手にローアングルでシャッターを切った。ラウンド中は黙々とゴルフに集中するタイプだけに、自らを解放するかのような笑顔とバンザイだった。

　２回連続の予選落ちからの優勝。国内女子メジャー、ワールドレディスチャンピオンシップ・サロンパスカップ（茨城ＧＣ）を取材した際は、別人のように精彩を欠くゴルフで、ファインダー越しに苦しい表情が印象に残った。

　過去の動画やメモを見直しスイングの修正を試み、師匠の尾崎将司からアドバイスを受け、本来のスイングを取り戻す術を見つけたという。

　浮き沈みが激しいゴルフという競技。ミスのあとにリカバリーできるかどうかが試されるメンタルスポーツ。人生に似ているからこそ見る者を引きつけ、笑顔やガッツポーズや“バンザイ”に魅了されるのだろう。（デイリースポーツ・開出牧）