令和の怪物・佐々木朗希 平成の怪物・松坂大輔氏への畏敬の念が伝わる“最敬礼”

 畏敬の念が伝わってきた。令和の怪物こと、ロッテ・佐々木朗希投手(21)が、平成の怪物、松坂大輔氏(42)に“最敬礼”した。

 8日に沖縄県石垣市のロッテキャンプを訪れた松坂氏が、サブグラウンドのフェンス越しに投手陣の守備練習を見ていた時のことだ。

 佐々木朗は、松坂氏の約2メートル前まで来ると足を止め、帽子を取って最敬礼した。松坂氏も思わず両手をまっすぐ下に伸ばして会釈をするほどだった。

 松坂氏がテレビ収録のために訪れており、カメラが回っていたこともあるかもしれないが、私が予想していた“邂逅(かいこう)シーン”とは違っていた。あらかじめ松坂氏の近くでカメラを構えシャッターチャンスを狙っていた私は、もっと近づいてあいさつなり、握手なりすると思っていたため、あわててレンズを広角にしてシャッターを切った。あやうくピントを外すところだったし、ズームレンズを装着していたらアウトだった。

 2人の年齢差は21歳。松坂大輔氏が甲子園で怪物と呼ばれた3年の夏は、佐々木朗が生まれる前のこと。その活躍ぶりをリアルタイムで見てはいないが、野球を始めた少年時代からテレビの再放送やYouTubeなどで見て知っていただろう。自身が“令和の怪物”と騒がれるようになってからは、繰り返し「平成の怪物」について聞かれ、比較されたこともあったはず。雲の上のような存在だったにちがいない。

 そして自身も怪物と呼ばれ、想像を超えるプレッシャーや期待、孤独を抱えながらプロ野球人生を歩むようになり、長年にわたり日米のマウンドに立ち続けた“平成の怪物”のすごさを実感しているにちがいない。そんな畏敬の念が、自然とあらわれたあいさつだったのではないだろうか。(デイリースポーツ・開出牧)

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