沖縄尚学・東恩納 笑顔で降板する姿に高校野球の神髄、スポーツマンシップを感じた

 酷暑を忘れさせてくれる、すがすがしさだった。沖縄の“ミスターゼロ”こと沖縄尚学のエース・東恩納蒼投手(18)だ。

 東恩納は19日の準々決勝・慶応戦(甲子園)の六回、相手打線に捕まり逆転を許し、一挙に6点を奪われ降板した。写真はKOされた時のものだが、笑顔で2番手投手にマウンドを譲り、レフトの守備位置に向かった。

 クーリングタイムの直後だけに、10分間の休憩の影響があったのかもしれない。またこの回の先頭打者、代打・清原への大歓声で場内の空気が変わったことも影響したのかもしれない。しかし、KOされた東恩納は悔しさや無念さをみじんも見せることなく、スポーツマンシップを感じさせるような、すがすがしい表情でレフトへ走っていった。

 3回戦の創成館戦では八回に失点し、地方大会から続けてきた無失点イニングは途切れたが、動揺することなく1失点完投の見事なピッチング。この試合も私はファインダー越しに彼を追いかけたが、無駄のない投球フォームで、安定感抜群の好投手という印象を受けた。

 この日も五回までは素晴らしい投球内容だっただけに、うがった見方をしてしまいがちだが、試合後も涙を見せることなく、グラウンドから先に出ていく慶応ナインに頭を下げ、笑顔であいさつをしていたのが印象的だ。

 高校野球を取り巻く環境が変わっていく中で、高校野球の神髄、大切なことを思い出させてくれる好投手だった。今後の活躍に期待したい。(デイリースポーツ・開出牧)

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