復帰登板で見せたロッテ・佐々木朗希の“花火”を激写!
花火のようだった。復帰登板で見せたロッテ・佐々木朗希投手(22)の“160キロ”だ。
1日の対西武(ZOZOマリンスタジアム)の5回2死二塁、カウント2-2から鈴木に投じたストレートが160キロを記録。スコアボードに表示された球速に、スタンドが沸いた。ボール球だったが、三振を奪いにいった渾身(こんしん)のストレート。幕張の夜空に打ち上げられた花火よりも、鮮烈だった。
右上肢のコンディション不良で約2カ月の離脱。2度目の登録抹消の際に小野投手コーチに伝えた「思ったより回復していなかった」という言葉が印象に残っている。まだ成長過程にある体には、160キロ以上のストレートは、想像以上に負担がかかるのだろう。
150キロ台のストレートと変化球で勝負していた。味方の守備にも助けられながら、四回まで無失点。西武の先発・与座海人も三回まで無安打の好投。投手戦の様相を呈していた。そんな中で飛び出したベテラン・角中の右越え先制2ランに、ベンチ付近でキャッチボールしていた佐々木は、バンザイしながら満面の笑みを浮かべ大喜びした。
貴重な援護点を得てマウンドに立った五回。先頭の戸崎に死球。盗塁を許し無死二塁のピンチを迎えた。ガルシアを三振に打ち取ったストレートは159キロを記録。躍動感や気迫あふれる表情からもギアが上がったのを感じた。
七番・野村大の打球を、右翼手の藤原が体勢を崩しながらも好捕。初回もホームへの好返球で先制点を阻止していた。味方の後押しを感じて、さらにギアを上げたにちがいない。鈴木に160キロのストレートを投げた瞬間、大粒の汗が飛び散った。リスクを顧みず全力投球する姿に、胸を熱くした。
結果的には中前適時打を許したが、5回3安打1失点の好投で今季6勝目。ファンに勇気を与える勝利であり、夏の夜を彩った“160キロ”に、復活を感じた。(デイリースポーツ・開出牧)