今季7勝目を挙げたロッテ・佐々木朗希に感じたハイレベルな進化

 洞察力を感じた。今季7勝目を挙げたロッテ・佐々木朗希投手(22)だ。

 30日、対ソフトバンク(ZOZOマリンスタジアム)の4回1死一塁、カウント1-1。打者山川に対して3球目を投げる前のことだ。マウンドから手招きするようにグラブを動かし、佐藤捕手を呼び寄せた。グラブで口をかくし、何かを伝えた。そして投げたのは、内角低めの変化球。山川は見送ってボール。4球目も変化球を投げ三ゴロ併殺に打ち取った。

 おそらくストレートを狙っている気配を感じ、そのことを佐藤捕手に伝えたのではないだろうか。打席の山川と対峙(たいじ)した時に、表情や構えを見て、洞察したにちがいない。バッターの背後にいる捕手には見えない、投手にしかわからない打者の表情や気配。首を振ってサインを拒むことはできただろうが、第1打席で158キロのストレートをセンター前にはじき返されていただけに、球種を読まれる恐れがある。

 前回のソフトバンク戦(8月6日、ZOZOマリンスタジアム)は初回にランナーを出しながらも160キロ台のストレートでクリーンナップをねじ伏せたものの、2回以降につかまり5回9安打3失点で負け投手になった。今回はスライダーを多めにした配球に変えたようだが、球威や緩急で打ち取るピッチングに洞察力という、新たな武器を駆使してソフトバンク打線を7回3安打無失点に抑えた。

 思うような結果が出ないピッチングが続いていたが、それは自分を見つめるためのプロセス。グラブ越しに佐藤捕手と対話する姿に、自己責任を伴う、ハイレベルな進化を感じた。(デイリースポーツ・開出牧)

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