【松本浩彦医師】クラゲに刺されたらすぐに海から上がること 触手はこすらないで

 【Q】家族で海水浴に行きます。クラゲには注意した方がいいのでしょうか。(40代男性)

 【A】夏の終わり頃によく見かけるクラゲについて知っておきましょう。本州近海で発生するクラゲはほとんどアンドンクラゲで、凶悪なカツオノエボシの出現はまれです。それでも天気の良い日、水温の高い日に、波打ち際に多く集まって泳いでいたりするので、クラゲには近付かない方が安全です。

 アンドンクラゲは無色透明で5センチほどの四角い形をしています。刺されると感電したようなショックがあり、蚊に刺されたような赤い斑点、ミミズ腫れが浮き出ます。時間とともに痒くなるのでとにかく冷やす、虫刺されの薬を塗るなどで対処して下さい。掻かないことが重要です。

 カツオノエボシは大きいものだと15センチくらいで餃子のような形をしています。特徴はキレイな青色で、これに刺されるとシャレになりません。直後に強い衝撃が走り、激しい痛みと赤紫色のミミズ腫れが出て、頭痛・吐き気・呼吸困難など全身症状まで起こります。重傷の場合はショック死することもある恐ろしいクラゲです。カツオノエボシを遠くから見ると、青いビニール袋に見えます。海で青いビニール袋を見つけたら、すぐに逃げた方が得策です。

 人が痛いと感じるほど強く刺すクラゲは、カツオノエボシやアンドンクラゲくらいで、海水浴場でよく見かけるミズクラゲなどは刺されても痛くありません。でも知らないクラゲには触らない方が無難です。打ち上げられて死んでいるように見えても触ってはダメ。浜辺に落ちている青いビニール袋が、もしかしたらカツオノエボシかもしれません。

 万が一クラゲに刺された時の応急処置は、とにかくすぐに海から上がること。カツオノエボシに刺されると全身が麻痺して溺れることもあります。体についた触手は手でこすらずに海水で洗い流します。砂でこする、タオルで拭くなどは厳禁です。よく言われる「お酢をかける」は有効ですが、カツオノエボシにお酢は効きません。まずはライフガードの人に連絡して指示を仰ぐのが一番でしょう。

 ◆松本浩彦(まつもと・ひろひこ)芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、(社)日本臍帯・胎盤プラセンタ学会会長。

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