【松本浩彦医師】「秋バテ」にご注意 効果的な予防とは
【Q】夏バテはしなかったのに秋になって、体が重く、疲れやすいです。(50代男性)
【A】夏バテは通常、夏の暑い時期に現れる慢性的な症状を言いますが、実際の医療現場では、夏バテとは、暑さが過ぎた頃に多く見られます。夏に環境や食品などで身体を冷やした場合に多く現れ、夏の暑い盛りにを感じることを言うのではないのです。「秋バテ」と言った方が良いかもしれませんね。
秋は、夏の暑さから解放され、眠りが深くなり、何とも言えない疲労感を感じやすくなります。オフィスでは10月ぐらいまで冷房も入っていますし。秋雨や台風など、気温も一定ではなく、風邪を引き起こしやすくなります。
秋バテの原因は(1)汗をかくことによる体内の水分やミネラルの不足(2)胃腸の疲れによる消化機能の低下(3)屋内と屋外の温度差による自律神経の乱れ(4)睡眠不足による体力の低下、などが挙げられます。それでは「秋バテ」の予防法を-。
《食事》1日3食・規則正しく・バランス良く。冷たいものはなるべく控え、身体を温めてくれる食材を飲食しましょう。胃腸に負担をかけないため、よく噛んでゆっくり食べることも大切です。
《入浴》寝る30分前に、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かることで、副交感神経が優位になり、体が睡眠モードに切り替わります。
《運動》気候が涼しくなってくると、汗をかかなくなり、血行が悪くなってしまいます。体内に疲労物質が溜まり、疲れやすくなります。ウォーキングや軽い運動にちょうど良い気候ですので、適度に汗をかくようにしましょう。何事も急にやってはいけません。季節の変化に、徐々に身体を慣らせていくことです。
◆松本浩彦(まつもと・ひろひこ)芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、(社)日本臍帯・胎盤プラセンタ学会会長。