【櫻井直樹医師】冬のカサカサ、かゆみ肌…正しい対処法とは

 【Q】毎年冬になると、体が乾燥してかゆくなります。入浴の時に石鹸(せっけん)は使わない方がいいのでしょうか?(60代男性)

 【A】お困りの症状は、一般的に皮脂欠乏性湿疹とされます。加齢とともに、皮膚を保湿する成分である、角質の角層細胞間脂質、天然保湿因子、皮脂が減少し、皮膚は乾燥しやすくなります。皮膚を保護する角質のバリア機能が低下することにより、アレルゲンなどの異物が侵入し、かゆみや湿疹の原因となります。

 治療は、保湿剤を外用し、湿疹があればステロイド外用剤も併用します。ここで重要なのが、保湿剤の使い方です。保湿剤は、入浴後早めに、たっぷりと塗る必要があり、目安としては塗った後にティッシュペーパーが付着する程度となります。

 こう説明すると、入浴時に石鹸を使わない方がいいか、と質問されることが多く、また、石鹸を使わないように指導している医師もいるようですが、結論を先に述べると、石鹸は使うべきです。

 そもそも皮脂欠乏性湿疹では角質の水分量が少ないため皮膚表面の汚れと古い角質(アカ)が固着しやすい状態になっています。さらに保湿剤や軟こうなどの外用薬を使用してそのままにしていると、24時間以上経過した場合、外用薬基剤が酸化し皮膚に悪影響となります。こうした汚れは水だけでは取り切れず、石鹸でしっかりと落とすべきです。

 ここで重要なのは、洗い方であり、しっかりと泡立ててやさしく洗い(ナイロンタオルでごしごし洗うのはNG)、すすぎ残しがないように流す必要があります。そのあとに先ほど説明したように保湿剤を使用すればよい、ということになります。

 なお、湯船については、そのリラクゼーション効果もあることから否定はしませんが、かゆみが強い場合は、熱い湯に長時間入るのは厳禁です。ぬるま湯に短時間で、とどめておいた方がよいでしょう。

 ◆櫻井直樹(さくらい・なおき)02年、東大医学部卒。東大付属病院、関連病院に勤務後、美容外科クリニック勤務を経て千葉県松戸市にシャルムクリニック開設、他院皮膚科顧問も歴任。皮膚科専門医、レーザー専門医。

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