【谷光利昭医師】自分のため周囲の人のため…風疹ワクチンを受けてほしい
以前なら様々な病気にかかり、命を落としていたはずの人たちもワクチンのおかげで命が助かったことも多いと思われます。ワクチンについては副作用がゼロだと言いませんが、受ける恩恵の方が大きく、個人的には、現在、国が推奨しているワクチンは可能な限り受けるべきだと思っています。
乳幼児の免疫力は弱く、ワクチン接種は大切です。特に2歳未満の子供はそうです。致命的といわれている細菌性髄膜炎の原因として多いのが、ヘモフィリスインフルエンザ菌、ついで肺炎球菌とされています。これらの菌に対するワクチンがヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンです。あの時にワクチンを打っていれば助かったものを…と後悔の念に苛まれる親御さん、小児科の先生のお話をうかがったことがあります。
猛暑の中、病院に出かけるのは大変ですが、推奨された通りにワクチンを打つことは大切です。もちろん、自分が病気にならないために接種するのですが、他人への感染防御と言った意味でも重要になってくるのが、風疹(ふうしん)ワクチンです。妊婦さんが風疹になると先天性風疹症候群なり、心臓疾患、難聴、白内障などを来すことがあります。
現在は、はしかと混合のMRワクチンとして投与していますが、2005年(平成17)年まではそれぞれ別々に投与していました。また、予防接種法で男性が風疹ワクチンを打てるようになったのは、1979(昭和54)年4月2日以降です。
その日以前に生まれた男性は、風疹ワクチンを受けておられない可能性が高いです。事実、私もそうでした。これからご結婚される方、お孫さんが生まれる方、それ以外の男性も積極的に風疹ワクチンを受けて頂くようにお願いしたい次第です。
◆筆者プロフィール 谷光利昭(たにみつ・としあき)兵庫県伊丹市・たにみつ内科院長。外科医時代を経て、06年に同医院開院。診察は内科、外科、胃腸科、肛門科など。デイリースポーツHPで「町医者の独り言」を連載中。