【松本浩彦医師】2週間以内に日本でも地震が発生「バヌアツの法則」に注意
北海道で6日午前3時8分ごろ、最大震度7の地震があった。地震の規模はマグニチュード6・7と推定されている。大規模な被害に見舞われ、死亡者、安否不明者も多数。度重なる巨大地震は本当に恐ろしい…。ただ今回、実は気になる“予兆”があった。兵庫県芦屋市にある「松本クリニック」の松本浩彦院長(同志社大学客員教授)は、大惨事前日の9月5日にデイリースポーツ紙のコラムで「バヌアツの法則」に注意をするよう促していた。コラム全文を掲載する。
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今回は、医学から離れて地震学のお話を少し。8月22日の水曜日、午前7時30分ごろ、南太平洋のオーストラリア東のバヌアツで、M(マグニチュード)6・7の地震がありました。
過去にさかのぼって、なぜかバヌアツでM6以上の地震が起きると、高い頻度で、2週間以内に日本でも、同等もしくはそれ以上の地震が発生しており、“業界”ではまことしやかに「バヌアツの法則」と言われています。太平洋プレートの関係らしく、統計的には、どうやらバヌアツと日本には、6~7割の確率で、地震が連動する関係があるようです。
ちなみに、2016年4月3日にバヌアツでM6・9の地震が発生。同14日に、あの熊本大地震M7・3が発生しています。この記事が紙面に掲載されるころに何も起こらないことを祈るばかりです。でも気をつけるに越したことはないので、どうぞご注意ください。
ところでマグニチュードという言葉、みなさんよく耳にされると思いますが、マグニチュードは地震が発するエネルギーの大きさを対数で表した指標値で、揺れの大きさを表す震度とは異なります。ややこしい計算式は置いといて、マグニチュードが0・2大きくなると、地震のエネルギーは2倍になると覚えておいてください。ですから1増えると、2の5乗=32倍大きくなるわけです。
広島型原爆のエネルギーは、マグニチュード換算で6・1と計算されています。阪神淡路大震災が7・3でしたから、その64倍。東日本大震災は9・0でしたので、阪神淡路と比較すると、さらに724倍大きいエネルギーだったことになります。自然の力は、恐ろしいものですね。
◆筆者プロフィール 松本浩彦(まつもと・ひろひこ)芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。