熱中症の水分対策にスポーツドリンク 高齢の方にはお勧めしません
最近は真夏本番という日も多く、クーラーを使わないと過ごせない日になりました。熱中症への様々な対策があります。日中は外出しない、屋内において暑いと感じなくても冷房を入れて適温にする、水分を多くとる、肉体労働者は適切な水分、塩分を補充するなどです。
かつて東京の病院にいた時は夏休みが長く、必ず沖縄に行っていました。しかし、日中は地元の人はほとんど外出していません。沖縄で日中に外出するのは観光客くらいだよと地元の人に話を聞いたことがあります。しかしながら待ちに待った夏休みです。日中は常に外出して、日焼け対策をせずに遊んだため軽い熱中症と日焼けによるやけどになった辛い過去があります。
水分対策としてスポーツドリンクが推奨されていますが、高齢の方にお勧めはしません。水か白湯をお勧めします。塩分、糖分の過剰摂取があるからです。まして、清涼飲料水、特に炭酸の甘いジュースは控えていただきたい。糖尿病のリスクがあるからです。
高血圧で通院治療中の患者さんがいるのですが、糖尿病の一歩手前でした。健康のために毎日散歩、運動などをしていたのですが、運動後に炭酸系の甘いジュースを毎日飲んでいたのです。しばらくして喉が渇いて仕方がないということで、他院を受診されました。血液検査では、急激に糖尿病の増悪を認め、緊急入院となりインスリン治療をうけて事なきを得ました。
若年者、お子様もジュースの飲みすぎで糖尿病になることがありますので、気を付けなければなりません。特に血が繋がった人に糖尿病の患者さんがいるなら、この季節はお水または、カフェインが入っていないお茶による水分補給をお勧めします。カフェイン、アルコールなどは、尿が多く出るため、摂取することで脱水になることがあるのです。
◆谷光利昭(たにみつ・としあき)兵庫県伊丹市・たにみつ内科院長。デイリースポーツHPで「町医者の独り言」を連載中。