雷に打たれないためには?線状降水帯発生時は雷に注意!平坦地では「雷しゃがみ」で避難を

 線状降水帯の予報的中率が10%だと世間の人は失望しているようですが、友人の気象予報士に言わせると10回に1回当たるだけでもすごいことだそうです。この先データが増えれば、確率はどんどん上がっていくだろうとのこと。相手は大自然、初めからそうそう思惑通りにはいきません。線状降水帯というと、雨と共に激しい雷を伴います。今回は、雷に当たらない方法について調べてみました。

 日本全国で雷に打たれる、あるいはその二次被害で亡くなる方が年間20人以上おられます。雷というと夏を想像しますが、1年を通していつ発生してもおかしくありません。ご存知の通り、雷は高いところに落ちます。しかし雷は直撃だけでなく「側撃」という落ち方もします。落ちた雷は側にある物を伝わりながら地面に流れこみ、伝わりやすい部分を通ります。

 たとえば大木の近くに避難する場合は、2メートル以上離れないと危険です。最も大切な回避方法は角度です。近くに安全な空間がない場合、電柱・煙突・鉄塔・ビルなどの高い物体のてっぺんを45度以上の角度で見上げる範囲で、その物体から4メートル離れたところに退避します。

 広い平坦地で避雷物がない場合のために「雷しゃがみ(Lightning Crouch)」を覚えましょう。登山・ハイキング・キャンプなどに出向く際に、急な雷から避難するための姿勢です。

 (1)頭を下にかがめる(できるだけ姿勢を低くする)

 (2)両手で耳をふさぐ

 (3)足の両かかとを合わせる

 (4)かがんだ時につま先で体を支える(かかとを地面から浮かせる)

 両足のかかとを合わせるのは、電気が片足から進入しても反対側の足へ電気をUターンさせて地面に戻すためです。つま先で立って地面との接点を可能な限り小さくします。腹ばいになるのは接地面積が大きくなるので危険です。アメリカでは学校や家庭で「雷しゃがみ」を日常的に子供に教えているそうですよ。

 ◆松本浩彦(まつもと・ひろひこ)芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。

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