大腸がんで亡くなる著名人→死亡数で女性1位、男性2位、最も恐ろしい点は初期の自覚症状が「ほぼ皆無」→「便潜血検査」で早期発見を

 著名人の相次ぐ訃報に触れ、大腸がんという疾患の脅威を身近に感じている方も多いのではないでしょうか。働き盛りや、まだまだこれからという世代での早すぎる別れは、私たちに健康の大切さを改めて問いかけています。

 大腸がんは、日本人の罹患数で全部位のトップを占め、死亡数でも女性1位、男性2位。まさに「国民病」とも呼べる存在です。主なリスク因子には、飲酒や肥満、食生活の欧米化(高脂肪食)などが挙げられますが、この病気の最も恐ろしい点は、初期の自覚症状が「ほぼ皆無」であることです。便通の異常や血便といった異変を感じた時には、すでに進行してしまっているケースも少なくありません。

 しかし、大腸がんは早期に見つけることができれば、十分に根治が望めるがんでもあります。そこで重要になるのが、40歳以上の方を対象とした「便潜血検査」です。自宅で2日分の便を採取するだけの、痛みも食事制限もない非常に簡便な検査ですが、毎年継続して受けることで、大腸がんによる死亡率が約70%も低下するという研究結果も報告されています。

 一般的に、大腸がんはポリープから5~10年ほどの歳月をかけてゆっくりと進行していきます。つまり、年に一度の検査を繰り返すことで、その長い期間のどこかで「芽」のうちに発見できるチャンスが飛躍的に高まるのです。しかも芽の段階ならお腹を切らずに内視鏡だけで治療を完結できます。

 「まだ若くて元気だから」と先延ばしにせず、40歳を過ぎたら年に一度の検査を習慣にしてみてください。ただし痔のある方は痔の調子の良いときに検便してくださいね。痔でも便潜血陽性になり、この場合はいらぬ心配を背負いこむことになりますので。

 ◆西岡清訓(にしおか・きよのり)兵庫県尼崎市の「にしおか内科クリニック」院長。呼吸器、消化器疾患を中心に一般内科診療などを行っている。

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