「甘いものは別腹」には科学的な根拠があった!英国の解剖学者が科学的に解説→胃が緩んでデザートのための余地ができる

 「甘いものは別腹」という言葉、食いしん坊の人が言い訳しているように聞こえますが、実際ふしぎなことに、満腹でもデザートなら食べられてしまいます。この現象を英国の解剖学者が科学的に解説した論文を見つけました。

 論文では、英国ではデザートの代表であるプディングを例に「別腹」の理由を解明しています。解剖学的にいえば別腹など存在しません。それでもプディングならまだ入る余地があるという感覚は架空のものではなく、一連の生理的・心理的プロセスを反映したものだそうです。

 多くの人は胃袋を固定サイズと考えておられるでしょうが、実際には伸びて順応するようにできています。これを「胃の適応性弛緩」と呼びます。平滑筋が弛んで余力ができるのです。お腹いっぱい食べて胃に膨満感を覚えたとしても、アイスクリームやプディングなどの甘く柔らかい食べ物は、機械的消化が必要なく作業負荷もかかりません。それで胃はさらに弛緩できデザートのための余地ができるのです。

 エサをお腹いっぱい食べたマウスに追加でデザートを与える実験により、脳には満腹時に甘いものを食べたときのみ快感物質を放出する「デザート胃(別腹)領域」があることがわかりました。同様のメカニズムが人間の脳にもあることから、研究者らはこの発見が過食や肥満を防ぐ薬や治療法の開発につながるのではないかと期待しています。

※「参考文献」

 ・Thalamic opioids from POMC satiety neurons switch on sugar appetite. Science,

 https://www.science.org/doi/10.1126/science.adp1510

 ・”Dessert stomach” finally found in the brain.

 https://newatlas.com/biology/dessert-stomach-brain-sugar/

 ◆松本浩彦(まつもと・ひろひこ)芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。

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