甲子園で“歴史”変えた元大分高校女子マネジャー 夢のアナウンサー目指し奮闘中
長くつややかな黒髪が輝き、色白の肌にメークが映える。約1年前、全国の注目を集めた美少女は、大人の女性へと成長していた。大分高校野球部の元マネジャー・首藤桃奈さん(18)。彼女は今、アナウンサーを目指して勉強に励んでいる。
今年3月に高校を卒業。地元の大分を出て、関東の短大に進学した。卒業後は編入や留学も選択肢に入れ、夢の実現へ進んでいる。「東京で頑張って、いつかは大分や九州でアナウンサーをしたいと思っています。こっちでは『大分ってどこにあるん?』って言われるんですよ。もっと大分をPRしたいんです」。憧れはフジテレビ・三田友梨佳アナウンサー。報道もスポーツもバラエティーもこなせるマルチなアナウンサーを目指す。
16年夏、首藤さんは高校野球の歴史を動かした。開幕前の甲子園練習。ユニホーム姿でグラウンドに立った。直後に大会本部からベンチへ戻るように指示され、全国的な議論に発展。これが発端となり、今春のセンバツから制限付きで女子部員の甲子園練習参加が認められた。
「当時のことは、はっきり覚えています。いい意味でも悪い意味でも…」。練習後、インターネット上には自身の写真が並び、賛否両論が繰り広げられた。当時17歳。普通の女子校生だった首藤さんは、精神的に追い詰められた。
それでも約1年がたった今は、落ち着いて振り返ることができる。「あの出来事があったから今の私がいるし、あの経験がこれからの私のためになると思うんです。いきなり名前が出て注目を浴びて、いろんな意見を知って、メンタル的にも強くなれましたから」。昨夏の経験は、アナウンサーを目指す上で貴重な経験だった。
幼い頃からアナウンサーになることが夢だった。小学校では放送部に所属。「校内放送で上手だねって褒められて」。伝えることの楽しさを知り、高校ではメンバー発表などでマイクを握った。甲子園のウグイス嬢の発音を参考にして、独学で勉強。お風呂での練習が日課だった。
勉強の傍ら、今も休日は大学野球やプロ野球を観戦する。これからも自分を成長させてくれた高校時代を思い出しながら夢を追う。(デイリースポーツ・西岡 誠)