もっと役立つことに知恵を使ってくれればいいのに
ネット社会では、1枚の写真の背景や、持ち物などから場所や人物が特定されてしまうことがある。ハイヒール・リンゴは、このような面白半分で特定していく人や状況が「怖い」と語る。それだけに「身の回りの品にも気を配らないといけない時代」と自戒の念を込めた。
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最近、何でもネットで特定されていますよね。楽しいという感覚なんでしょうか。
スゴイなと思ったのが、小出恵介君の騒動のときです。相手じゃないかと言われていた女性が、SNSに挙げてるエレベーター内部の画像を見て、大阪のホテルの名前を割り出した。さらに小出君の泊まっているホテルと同じだからビンゴ!週刊誌に出ていた17歳の女性だって。ちょっとしたヒントで解き明かしていくのを楽しんでいる。
まるでミッションインポッシブル。誰と誰がどこでどうして、服はどこのブランドでとか…でも私はそういう人が理解できない。むしろ怖いなと思いますね。写真なんかも、もうバックが何もない白いところでしか撮れなくなってしまう。そういうことができる人は、ISの捕虜の場所とか特定するとか、もっと役立つことに知恵を使ってくれればいいのにと思います。
NMB48の須藤凜々花さんが、総選挙から帰ってきたときに着ていた「DAMN」Tシャツも、すぐにネットで特定され、高値で売買されました。それを考えると、身の回りの品にも気を配らないといけない時代なんですね。
以前、キューバにロケに行ったとき、日本語が書かれたキャップを被っていた外国人に出会ったんですが、2度見するほどビックリしました。大きく「汚物」って書いてあるんですよ!意味なんか分からず、なんとなく字面が好きで、ロゴが格好いいみたいな感覚で買ったんでしょうね。須藤さんも「DAMN」の意味が分からず着ていたというじゃないですか。本当、気をつけなきゃいけない。
そんな須藤さんのTシャツが売れたというニュースを見たときから、何か引っかかるものがあったんです。身近で似たようなことがあったなあと考えていたら、のりピー(酒井法子)が謝罪会見したとき着ていたワンピースを、うちの相方モモコが買っていましたわ(笑い)。
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ハイヒール・リンゴ 1961年8月9日生まれ、大阪府枚方市出身。NSC1期生。モモコとコンビを結成し83年デビュー。95年上方漫才大賞受賞。テレビでも多くのレギュラーを持ち、その司会術や仕切りのうまさには定評がある。10年から大阪学院大学で金融論を学び、名誉博士号を授与される。