お盆に仏壇と墓の問題考える「そもそもいるんかな~」
日本人にとって欠かせないお盆の行事。お墓参りをしたり、迎え火をしたり。だが子どもの人数が少なくなっている現在では、“墓じまい”の話もよく聞く。ハイヒール・リンゴも先祖や親類のお墓が「なんだかんだでものすごくある」といい、次世代に受け渡す前に「私たちの世代で何とかしておかないと」と語った。
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お盆に入りましたが、私の家は祖母が3人姉妹、母が2人姉妹、私が3人姉妹なので、なんだかんだでものすごくお墓があるんですよ。だから私の世代でお墓と仏壇とまとめようと思っています。
私の友人にも本家の子がいて、お墓参りのお花代がすごくかかるって嘆いています。本家の立場上、自分の家だけじゃなく、周りの親類のお墓にもお花を供えなきゃいけなくて、軽く2万円とかになってしまうらしい。墓参りも墓も仏壇も、若い世代を圧迫してくる。私たちの時代に何とかしておかないと。
わが家も旦那が長男なんで、いずれ仏壇が来るんですよ。私に子どもはいませんが、旦那はバツイチで子どもに男の子の孫もいるんで、私たちの後は、いずれはその子が受け継ぐ。わが家に遊びに来るたびに「墓守やからな」って言ってるから、孫は「墓守」が怖いもんだと思ってるかも(笑い)。
舅は仏具関係の仕事をしていたんで、仏壇も立派なんですよ。マンションに置くには大きすぎる。だからこれを小さくしないといけないな、と。孫にも「バァバの時代に仏壇を小さくしておいてあげる」って言っています。
実はマンションをリフォームするときに、お仏壇を置く場所を作ったんですよ。うちの宗派の場合、お仏壇は、西を背にしなきゃいけないらしい。でもうちは西側がメインのベランダになっているから、お仏壇は置けない。するとデザイナーがものすごいアイデア出してくれて、部屋と部屋の間にお仏壇の場所を作って、ターンテーブルの上にお仏壇を乗せるようにしつらえてくれたんです。普段は東側を背にしているけど、お参りするときにはクルリと方向を変えて西側が背になるんです。デザイナーってすごいこと考えるでしょ?お金もかかりましたけどね(笑い)。
でもリフォームはしましたけど、そもそも仏壇いるんかな~って。もちろん私も実家に帰ったらお参りしますし、大切にはしています。だけどこれから人口は減ってくるし、後の世代のことを思うと、お仏壇とお墓はホンマに真剣に考えなければいけない問題だと思います。
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ハイヒール・リンゴ 1961年8月9日生まれ、大阪府枚方市出身。NSC1期生。モモコとコンビを結成し83年デビュー。95年上方漫才大賞受賞。テレビでも多くのレギュラーを持ち、その司会術や仕切りのうまさには定評がある。10年から大阪学院大学で金融論を学び、名誉博士号を授与される。