注意?パワハラ?“高田純次さん流”がいいのかも

 最近、週刊誌やワイドショーでパワハラ・セクハラの特集を見ないときはない。「世間は不倫に飽きてパワハラ・セクハラに関心が移っている。ベクトルの角度の変化が早い」と感じるというハイヒール・リンゴ。ちょっとした昔話や言い回しが“パワハラ”に捉え兼ねないご時世を憂れいた。

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 真新しいビジネススーツがまぶしい季節です。ところがこの新入社員と先輩の間には、驚くほど距離があるのをご存じですか?

 まず先輩が新入社員に思うこと、「周りと競わない」「職場の固定電話を取らない」。今の20代は少子化で競争が激しくなかったからでしょうし、家の固定電話も、携帯電話優先の生活ではそんなに鳴らないのでしょう。

 逆に新入社員が先輩に思うこと、「データに基づかないアナログな判断が多い」「下積み時代を武勇伝のように語る」。いやはや耳が痛いです。

 私のマネジャーも今の若者なのですが、先日、「午前中は所用のため、午後の仕事からフォローします」というメールが来たんです。所用って自分の用事ってことだから、「そこは“他の仕事があり”じゃないの?」と注意したんですよ。どうも言葉のチョイスが間違ってる。

 また別の日、どうしても住民票を受け取りにいかなければならないから、というので「個人的な私の事情」というつもりでメールに「私情のため、フォローできません」と書いてきた。「私情ではない。書くとしたら私事(わたくしごと)、惜しいな」ってメールを返しましたけど。

 学生から社会人になって、敬語だか丁寧語だかわからない状態で使ってしまってる。それらは社会人になって急に使うようになったからなんでしょうね。「マジすか」を敬語のつもりで使っている子もいたりするんです。

 でも私の注意を、相手はパワハラと感じているかもしれない。「昔はもっとひどいことされたで」と言うと、相手は「昔のようにやれというのか」と捉え、それがパワハラになるかもしれないじゃないですか。

 以前、高田純次さんの本を読んで印象に残ったのが、「自慢話と説教話と昔話をしない」という一節です。その嫌われる3つの要素を排除した結果、あのひょうひょうとしたキャラクターというか、話し方になったそうです。私もなるほど、と思って手帳に書きつけています。

 最近、週刊誌やワイドショーでもパワハラ・セクハラに多くのページや時間を割いて扱っている。世間は不倫に飽きてパワハラ・セクハラに関心が移っているんです。ベクトルの角度の変化が早いなと思います。

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