プロはもちろん、ファンの側にも礼儀は必要
男子ゴルフの大会で、プロアマでの選手の行動が問題になった。ハイヒール・リンゴはファンサービスの大切さを説く一方で、ファンの側のマナーについても言及。リンゴ自身が体験した“サインをもらうプロ”の存在や、ファンとの距離感について語った。
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男子ゴルフ選手のファンに対する対応が問題になっていましたが、私が感じたのは女子とは少し意識が違うのかな?ということでした。
私は宮里藍さんがアマチュアで参戦している頃からずっと「サントリーレディース」を観戦しています。例えば女子選手は、サインを求めるファンがいると、時間の許す限り頑張ってペンを走らせている。優勝スピーチでも、冠スポンサーや各方面に対して感謝の言葉を忘れません。ウエアなんかも、ファンの目を楽しませるように意識して選んでいると思います。その辺りの意識が男女では違うのかな?
もちろんプロだから、目の前に迫った試合のために、コース設定やグリーンの状態を確かめたいのもわかる。でも一緒に回っているアマの人も、プロと写真を撮りたいし、話をしてアドバイスもしてほしいんですよ。
一方で、ファンの側にも礼儀は必要だと思います。サインのネット転売も問題になりましたよね。以前、T.M.Revolutionの西川貴教さんが、品川駅で有名人のサインを誰彼構わず求める人に「『ファンです』じゃなく『書いてもらった色紙をこの後ネットで販売しますが、書いてもらえますか?』て言おうね」とツイートされたことがあります。これは品川駅だけじゃなく、名古屋駅でも新大阪駅でも同じようなことはあります。
新大阪では東京から来たタレントが収録を終え、帰る時間を狙って来るんです。私もバーッと寄ってきて「リンゴ姉さん、ファンなんです。サインして下さい」と言われたことがあります。でもどう見ても“ファン”ではないんですよね。で、私は「あなた、私のファンじゃないでしょ。私のサインなんて売れないよ」と答えたんです。するとそのサインをもらう人たちの間で「リンゴは怒る」ってなったみたいです(笑)。でもそんな人をファンっていうのかな?もう彼らはサインをもらうプロなんです。カバンの中にものすごい数の色紙が入っているのが見えますから。
そんな“プロ”ではなく、いつも劇場やイベントにも足を運んで下さる方から「写真を…」と頼まれることもあります。でもその方はそう言いかけて「あ、リンゴさんが化粧してないからダメですね」って。それを聞いて「この人は、本当に私のファンだ」と(笑)。ファンとタレントの距離感も、何が正しいというのではなく、昔とSNSがある現在では変わってきたのは実感します。