今後お墓や仏壇をどうするか…お盆に家族で話し合いを

 年々季節の行事が薄れてきたが、お盆には先祖を祭る人はいまも多い。だが少子化で先祖のお墓や仏壇を守る人が減り、負担になることもある。そうしたお墓や仏壇を今後どうするかといったことは、家人に体調が悪い人がいれば話しづらい。だからこそ「お盆には、お墓の文化も含め、そういうことを考える機会になる」とハイヒール・リンゴ。さらに親戚はもちろん知人や会社関係の把握、確認など「うまく世代交代できるような準備は必要」と語った。

   ◇  ◇

 お盆にお墓参りに行かれる方も多いのではないでしょうか。

 一般の人がお墓を建てるようになったのは、檀家(だんか)制度の成立した江戸中期。それまでは支配階級のみ。明治中期以降に家長制度が定着して、家ごとにお墓を建てるようになったそうです。一般人のお墓って、案外歴史が浅いんだなと思いました。

 更に驚いたのは、2015年に新規に建てられたお墓のタイプが、日本古来の縦型よりも、洋風の横型が多くなったということ。これは地震とかで倒れたりしたのが大きな原因ですが、シンプルな横型の方が、費用も抑えられるという事もまた理由にあるそうです。

 私の実家も、以前にお墓を整理しました。私が3人姉妹で、母が2人姉妹、祖母も3人姉妹なので、いたるところにお墓と仏壇があったんです(笑)。これを母の世代でまとめてもらいました。宗派も違うので、仏壇は魂を抜いてもらったりして、一つにまとめるのは結構大変な作業でした。

 さらにお墓は、いろんな場所にありました。どこか既存のお寺にまとめようとしても、寺院によって制約があったりして難しく、結局、郊外の霊園にまとめました。父と母方の祖母はよくケンカしていたけど、亡くなってもう30年もたつからええやろと、一緒に入ってもらいました(笑)。私は基本的には墓と仏壇は「生きている者の都合」だと思っています。形式より先祖を大切にする心が大事だと思うからです。

 名字も幾つもあったから、墓石には「先祖代々の墓」と刻みました。いまは墓石に彫るのも「〇〇家」じゃなく「心ばかり」とか「志」とか「愛」とか自由になってる。以前スピリチュアルの江原啓之さんは「お墓はカルシウム畑で霊はいない」とおっしゃってましたが、日本人はまだ何となくお墓もお仏壇も大事にしなきゃ…って思っちゃうんですよね。

 だからこそ今後お墓や仏壇をどうするか、一度家族で話し合った方がいい。体調が悪い人がいるときは、そんな話できないじゃないですか。お盆には、お墓の文化も含め、そういうことを考える機会になると思います。

 母に「よっさんとこのはーさん」と言われても、私たち世代は「それ誰!?」なわけですよ。「ウサギのおっちゃん」と呼ばれる人がいて、よくよく聞くと兎年生まれの親類のおじさんだったり(笑)。もう何がなんだかわからないので、妹が系図にしてくれました。親が元気な時に関係を聞いておかないと、親戚はもちろん、友人や会社関係なんてもっとわからなくなる。だからうまく世代交代できるような準備は必要だと思います。

 私も旦那に「亡くなったときに誰に連絡するか書いといてな」って言ってるけど、まだ書いてくれません(笑)。

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