賞味期限はおおらかに…開封後は舌と鼻が頼り!?
「食品ロス」が問題になっている昨今。賞味期限を気にする人も多い。「消費期限」とは違い、目安であるはずの「賞味期限」に振り回される現状に、ハイヒール・リンゴは「もう少しおおらかになってもいいのでは」と訴えた。また未開封期限より、「開封後の期限」を知りたいとし、“お早めに”の文言に対しては、自分の舌と鼻が頼りと茶目っ気たっぷりに語った。
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私はのんびりとした郊外で育ったので、子供のころは玉葱やジャガイモ等保存のきく野菜が自宅の納屋にぶら下がっているのは普通の風景。妹もまだ小さく、市場も遠く、気軽に買い物も頻繁には行けない状況だったので、缶詰もたくさん常備されていました。
その原体験があるから、いまでも我が家は「何日籠城できる!?」というくらい、食料品を常備してしまいます。そして賞味期限が近いものは専用のカゴに入れて、それから調理するようにしています。
その賞味期限ですが「年月日」の“日”は不要だと思いませんか?5月20日と印字されていても、20日を境に一気に不味くなるなんてことはない。少しずつ味が落ちていきますよってことなんだけど5月30日になるとちょっと食べにくかったりするもの(笑)。最近は「年月」表示のものも増えてきたので、いいことだと思います。
だけど個人的には、未開封で何日もつかよりも、「開封後の期限」が知りたい。もちろん冷蔵庫に入れっぱなしなのか、出し入れが激しいのか、などといった状況で期限が変わってくるのはわかります。だけど「お早めにお召し上がりください」の“お早め”の目安っていったい何なのか。結局、自分の舌と鼻がたよりです(笑)。
食品業界には「3分の1ルール」という慣習があるそうで、例えば賞味期限が3カ月の商品の場合、メーカーがスーパーに卸せるのは製造から1カ月、スーパーが店頭販売するのはそこから1カ月。残り1カ月になるとメーカーに返品されるそう。
以前、海外で天災のあった時期に、ある食品メーカーに賞味期限がまだ2カ月ある保存のきく商品が店頭から返品されてきたことがあったそうです。社長は被災地にその商品を送ろうとしたけど「作り立てじゃないものを人に差し上げるはいかがなものか」という意見が社内にあったため、結局、送られなかった。もちろんその理由も理解できますが、あくまでも業界慣習で返品されただけで、まだ十分美味しく食べられる。私はお客様に売るものと同じでなくても、ちゃんと食べられるもので被災地の方が望むのなら送ってもいいんじゃないか。「食品ロス」が叫ばれる一方で世間体を気にして、ロスするなんてなんだかおかしいと思います。客は商品を理解し納得の上で購入しています。
大阪市内に、そんな賞味期限ギリギリ、または過ぎてはいるけど中身に変化のない品を激安販売するスーパーがオープンしました。こうしたスーパーが増えてくればいいし、私たちももう少し、食べ物に関しておおらかになってもいいのではないでしょうか。