医療との関わり方考え直す必要あり「持病や障害の表示」「オンライン診療」
私は毎年同じ初夏のこの時期に人間ドックを受けています。当然MRI検査もあるのですが、インプラントや刺青があると受けられない場合も出てくると説明されます。
人工内耳も耳の奥に埋め込むため、磁場を利用するMRI検査では、機械が壊れたり、装着した周辺の肉体も傷つけてしまうそう。オーストラリアに住む人工内耳を装用している少女のお母さんが、万が一に事故したときに備え「私は耳が聞こえません。人工内耳を装用しているのでMRIは使えません」と書いた娘用のシートベルトカバーを作り、話題になりました。自分では説明できない状況に備え、シートベルトで表示するのはいい方法だと感心しました。
もちろん人工内耳だけではなく、持病や障害などを示しておく事はとても大切です。ヘルプマークもありますが、それが何を示すのか知らない人もいる。昔みたいに障害がある事を隠さず、一緒に普通に暮らしていこうという社会の中で、自分のビハインドになる事を表示する事が日本でも定着したらいいなと思います。
日本ではオンライン診療も遅れていましたが、今回のコロナ禍をきっかけに、厚労省も今後推奨するそうです。この方法は診察室前での長い待ち時間もなく、通院するのが大変な人にもとても便利。モニター越しに先生の顔を見て話せるし、今後は受診方法も変わりそうです。慣習的にやっていて無駄が多かった事も、どんどん見直されていくでしょう。
私の実家は大阪の枚方ですが、母は冷蔵庫に市から配布された医療情報カプセルを入れています。透明の筒の中は、服用中の薬や既往症などを書いたものです。玄関にそのカプセル使用を示すシールを貼っておくと、救急隊員はまず冷蔵庫のカプセルを探してくれるそうです。冷蔵庫って一家に1台、必ずといっていい程ありますから。
夫も持病があるので、海外に行くときは、英語で病気の説明を書いた紙を持って行くよう心がけています。服用している薬によっては止血がしにくいなど、処置が変わってきますから。何らかのアクシデントで意識がなくなって自分で説明できないときの事を考えるのはとても大事です。
日本ではまだまだこういう分野はおっかなびっくりな所がある様に思います。昔からある「~のくせに」という考え方を、もう一度考え直す事が大事ですね。