謝る「勇気」と「姿勢」を学んだ1年、ハイヒール・リンゴが振り返る
爆笑問題の太田光さんが、日本大学芸術学部に裏口入学したとする記事の裁判で、週刊新潮側に損害賠償として440万円の支払いとウェブからの記事削除が命じられました。
人ってある程度の年齢になると改めて親を認めたり、尊敬したりするようになってきます。だからこそ、太田さんが「親孝行をできなかった自分が、死んでから親父の名誉を傷つけたというのがもどかしいし」とおっしゃったのは至極当然。亡くなった親を巻き込むのはどうかと思うし、ここは戦われてよかったなと素直に思います。
太田さんの440万円という金額、これが高いのか安いのか私にはわかりませんが、一般人がネットで名誉棄損された場合だと、30万円位ですごく安いらしいです。弁護士の橋下徹先生も日本の名誉棄損の慰謝料は安すぎるとおっしゃっています。もう少し引き上げたら抑止力にもなるのではないかと思うのですが。夫婦でも浮気されて裏切られても、離婚時の慰謝料は100万円もないとかいうのもよく聞く話。日本は名誉とか目にハッキリ見えないもの、形にならないものに対しての慰謝料が安すぎると思います。
他方、自殺した女性プロレスラーを、生前SNSで誹謗中傷していた男性が侮辱容疑で書類送検されました。男性は「一生罪を背負って責任を果たす」と謝罪しました。ご遺族は「第2の犠牲者にしないで」と男性を特定することを諫められており、その姿勢はすごく立派。だけどそれでも特定しようとする人間もいる。不寛容だと感じます。
今年は芸能人の色々な意味での謝罪も何度かありました。アンジャッシュの渡部建さんも謝り方で人間の質を問われたり、同じ事柄に謝罪してもGACKTさんとローランドさんの様に謝り方で明暗があったり。人は謝罪の仕方で人柄を見抜かれるものなのですね。
この1年を振り返ると、謝る勇気と謝る姿勢を学んだような気がします。謝罪のタイミングもあるけど、自分が間違っているとわかったら、真摯に謝ること。そのときの態度で、自分というものが測られてしまう。例えばアメリカや中国などは、悪いと思っても謝らないというのは、「すみません」と言うことで、裁判になった時に負けるからだとか。けれど日本は「悪いことは謝る」という文化なのですから、そんな所は真似をしなくても良いと思います。
今年はコロナで気持ちが内に向いているせいか、どうなんだろうと思うことが多い1年でした。来年はワクチンができて定着しコロナも落ち着いたら目を外に向けて、いい話が聞ける年にしたいと心から思います。