いよいよ始まった東京五輪 ハイヒール・リンゴ「全力で応援したいけど」

 新型コロナウイルスの感染拡大が収まらない中、いよいよ東京五輪が開幕しました。様々な問題が噴出し、直前になっても開催に否定的な声が多勢を占めていただけに「やっぱ本当にやるんだ」と感じたのは私だけではないと思います。

 もちろん五輪という4年に1度の舞台を目指して切磋琢磨してきたアスリートは何も責められることはないですし、むしろ、私自身も聖火ランナーで枚方市の市民ランナーを務めさせて頂きましたから、むしろ応援したい気持ちは満々なのですが。

 五輪公式キャラクターのソメイティもミライトワも大阪では全然見かけない。東京ならまだ、選手を見かけたり交通規制がかかったりと五輪らしい雰囲気があるものの、関西ではサッパリ、という状況は否めません。

 さらには開会式前のゴタゴタ。過去のいじめ問題やホロコーストを揶揄するコントで関係者の辞任や解任が相次ぎ、本当にこの状態で開会式ができるのかとの不安がありました。あまりにも酷い事態と組織委員会などの対応に、国民の心はどんどん離れてしまい、五輪商戦も閑古鳥だったようです。

 挙げ句の果てに、ロシア選手団の選手村の施設が酷いというSNSでの的はずれな批判や、IOCのバッハ会長の「来年の冬の北京五輪は、成功させたい」というおどろきの発言。ロシア選手団はドーピング疑惑で個人参加になり、冷蔵庫などの備品のレンタル制度を知らなかったらしいのですが、日本の国民としてはなんだかんだありながら、それでも開催し、始まったからには平和の祭典としてアスリートを応援したいのに、まるで「東京は失敗」という言いまわしには、本当にがっかりしました。それでも、オリンピックは始まりました。

 開会式のパフォーマンスをTVで見ましたが、この御時勢ですから地味な印象は拭えないものの「日本の技術」や「日本の心」がそこかしこに散りばめられ、この式を支えた現場のスタッフの意識の高さを感じずにはおれませんでした。ドローンが描く地球も、ちょいアナログな「動くピクトグラム」も素晴らしかった。ただちょっと気になったのは各国のスマホの扱い。日本チームは「感謝の気持ちを胸に堂々と前を」と撮影を控えるよう言われていたようです。ところが他の代表国は思い思いにスマホで自撮りをしたりして、「祭典への参加」を楽しんでいました。これって、どっちが正解なのかな。「日本」という国名の読み方は「ニホン」と「ニッポン」どちらも正解だそうですが、オリンピック内くらいは統一して欲しいものです。驚いたのは「あいうえお」順の入場行進で「あ」のつく国の多いこと(笑)

 さて、五輪後には解散総選挙が待っています。覚えておきたいのは「オリンピックの成功と選挙とは別物」。日本人ってつい、良い記憶でイヤな出来事を上書きしてしまいがちですが、たとえアスリートの活躍で五輪が盛り上がって終わったとしても、別の問題としてきちんと記憶しておきたいものです。

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