【回答者・篠原かをり】文系?理系? 選んだ道を最良と信じること
【聞きたい】今、高校2年です。大学進学で理系に進むか文系に進むか迷っています。自分で言うのもなんですが、数学も得意だし、国語・社会の点数もいいです。ただ、将来、自分が就きたい仕事を今は頭に描けません。ひとまず理系にしておいた方が無難でしょうか。(17歳・女性)
【答えます】私も高校生の頃、理系に進むべきか文系に進むべきか、すごく迷ったので、懐かしく思いながら拝見しました。もっとも私の場合は、生物を研究するために理系に進みたいけれど、数学も物理もからきしだったので、入学できるのか卒業できるのかといった低レベルなところで悩んでいましたが。
一般に迷った時は、転部が比較的容易で潰しがきく理系を進められることが多いでしょう。しかし、本当にどちらでもいいと思います。選択肢はたくさんあります。私は文系も理系も選考できる学部を選び、生物と小説執筆を学びました。私の師事している助教は、大学で社会学を学び、大学院で分子生物学の研究者になった人です。一口に文系理系と言っても、その中に数限りない学問分野があるので、学ぶ前から自分に最適な道を選ぶことは困難を極めます。
後悔しない道を選ぶ方法はたった一つです。自分が選んだ道を最良と信じることです。文系に進んで、理系に進んでおけば就活がもっとスムーズだったのかな、と考えることもあるでしょう。多くの人が卒業旅行の話題で持ちきりの4年生の時、研究室に缶詰になって、ああ文系を選べばよかったと嘆くこともあるでしょう。
人生は選択でできています。その選択には純粋な正解はありません。どの道にもメリットとデメリットがあります。後悔してしまえば、選んだ選択肢は不正解になってしまうし、これが一番よかったと思う限りはなんだって正解です。
もちろんやりたいことが見つかったらいつでも変えて構いません。今後、命ある限り学び続ける人生で、最初のパートナーとなる学問を選ぶだけなのですから。
◆回答者プロフィール 篠原かをり(しのはら・かをり)神奈川県出身、23歳。慶応大学環境情報学部で生物学を学ぶ。自宅でゴキブリ300匹、サソリ、タランチュラなどを飼育する生き物オタク。17年11月にビジネス書「サバイブ」(ダイヤモンド社)の原作を担当。