【回答者・松野明美】まさに私の悩みごと!!迷ったら一度立ち止まる
【聞きたい】方向音痴で困っています。余裕を持って出発しても、歩いているうちに迷ってしまって目的地になかなかたどり着けず、約束の時間に間に合うかいつもヒヤヒヤです。松野さんはそんなことないですか?何かいい克服法があれば教えて下さい。(32歳・女性)
【答えます】これは私の悩みごと!私もレベル高めの方向音痴なんです。マラソンランナーは得意そうに見えると思いますが、レース中は5キロや10キロの表示しか見ませんし、上り下り、折り返ししか頭にない。途中の信号機や横断歩道は目に入ってきませんから、逆に方向音痴が多いんじゃないでしょうか。
今もいろんな所で朝から走ります。ホテルで近くに公園があるか聞くと、たいてい地図を渡されますが、これが読めない。地図を見ながら説明されてもわからないのは共通点じゃないでしょうか。必ず「出て右ですか?左ですか?」と聞いてしまいます(笑)。「大きい通りを右に」と言われても、小さい道もあるじゃないですか!これが大通りかな?と悩みながらも、適当に勘で行ってしまうから迷ってしまう。せっかちで、人の話をあまり聞かずに動き出すのも特徴でしょうね。
熊本空港から自宅まで25キロぐらいなんですが、1時間ほど走って帰ろうと途中で車から降ろしてもらったら、結局大通りに出られず3時間半もかかったこともありました。
50年生きてきて、最近になって人生と一緒だなと思うんですよ。ハイペースで前に前に進むのも大事ですが、待てよ!と一度立ち止まって、いま来た道を振り返るのも大切だなとやっと思うようになりました。
今回のお悩みは、まさに私と一緒。一生懸命生きてるから、突き進んでしまうんですよね。何か戻るのが嫌で…。でも、これはおかしいと思ったらスタートラインまで戻る方が結局早いんですよね。方向音痴を治すのは難しくても、迷ったら一度立ち止まってゆっくりと周りを観察する!私も自分を見つめ直すことができました。
◆松野明美(まつの・あけみ)熊本県出身、50歳。88年ソウル五輪女子1万メートル出場。引退後の01年に結婚、2児の母。現在は熊本県議会議員。講演、タレントなど多方面でも活躍。本紙マラソン評論家。