【回答者・小川泰平】ストーカーを防ぐには証拠品を持って相談
【聞きたい】切手の貼っていない手紙がマンションの自宅ポストに投函されていて怖くなりました。筆跡をごまかすためか、利き腕ではない方の手で書いたような文字で私の住所と氏名が封筒に、便せんには「死ぬまで、あなたを見つめています」などと書かれていて、夜も眠れません。私の周囲でそのようなことをする人がいるとは思えず、全く心当たりがないだけに不安で仕方ありません。どうか、対処法を教えてください。(20代・女性)
【答えます】ストーカーに家を特定されてしまったということですね。対処法としては、すぐに証拠品を持って警察署に行って、相談することが第一です。
封筒や便せんから指紋を取ったり、防犯カメラを確認したり、郵便物が盗まれている可能性も含めて調べてもらえます。ストーカー規制法の対象となりますが、素性が分からないと警告を発することもできませんから、警察官が張り込みをして犯人を特定します。
今は各署にストーカー担当の捜査員がいて、年間、2万件以上の相談があるんです。自分で悩んだりせず、必ず警察に連絡しておくことです。また、日頃から仲の良い人に話しておくことも大事ですね。急に連絡が取れなくなったりすると、その人が警察に連絡してくれるからです。
この女性の場合、誰だか知らない第三者の可能性が強いようです。ストーカーの中で圧倒的に多いのが元交際者か元配偶者で全体の約60%を占め、あとは同僚や同級生といった顔を知っているケース。全く知らない相手というのは10%程度ですが、それが一番怖い。
どうやって住所を特定されてしまったのでしょうか。夜間の帰宅中に尾行された可能性も考えられます。帰宅時には家に一番近いコンビニで買い物をしがちですが、それは「家が近い」ということを伝えているようなもの。お弁当を1個買う様子で独り住まいだと分かり、つけられる対象になりやすいのです。
ですから、夜間の買い物には注意が必要です。また防犯ベルをいつでも鳴らせる状態にしておくなどの備えが日頃から必要です。(犯罪ジャーナリスト)