広島 緒方監督×安仁屋OB会長新春対談【後編】今年も競争あるのみ
4年目の指揮を執る広島・緒方孝市監督(49)とカープOB会長でデイリースポーツ評論家の安仁屋宗八氏(73)が、恒例の新春対談を行った。昨季、37年ぶりのリーグ連覇を果たしながら成し遂げられなかった日本一が、今年の最大の目標。広島を愛する2人が熱く語り合った。後編をどうぞ。
安仁屋「去年は野手の活躍があった。今年も相当期待できるんじゃないか」
緒方「いろいろな打撃部門の成績を見ても分かるように、攻撃陣はナンバーワンの数字を収めてくれた。本当に申し分ない活躍でした。その数字に甘んじることなく、今年も新たな気持ちでやってほしいと思います。その中で1点、1点を積み重ねる攻撃を大事にしていきたい。最後まで緩めることなく、どんなに苦しい状況になっても勝ちに結び付けるために諦めずに攻めていくのがカープの身上ですから」
安仁屋「田中、菊池、丸が今年も中心になるのは間違いなさそうだね」
緒方「タナキクマルは、うちのセンターラインであって、打線でも中心となる選手たちです。ただ、完全に彼らに任せるのではない。投手と同様に、野手も競争の中からポジションを勝ち取ってほしい。中心選手に言いたいのは若手にすきを見せるな、与えるなということ。けがにしても調子の波にしてもそう。成績と実力でチームを引っ張っていけよ、と言いたい」
安仁屋「4番争いも楽しみな話題になりそうだ」
緒方「去年をスタートさせる中で、鈴木誠也をどこかのタイミングで4番に据えたいと考えていました。将来のチームをつくる上でも彼に成長してもらいたいという思いを込めてです。そして、こちらの期待通り、申し分ない成績を残してくれました。ただ8月の大事な時期にけがで離脱した。本人は悔しかっただろうしチームとしても痛かった。今年は本当の意味で4番打者としての真価が問われるというか、成長してもらわなくてはいけないシーズンになります」
安仁屋「4番候補には鈴木のほかに松山、バティスタ、新井とたくさんいる」
緒方「鈴木が抜けたあとの松山の活躍は大きかったですからね。あの打撃は本当に4番の打撃ですよ。衝撃的なデビューをしたバティスタも貪欲で彼も4番候補の1人。大ベテランの新井もいます。彼も代打一本で甘んじるという性格ではない。こちらとしては状態のいい選手を使います。調子が悪ければ打順を下げるということではなく、スタメンから名前が消える。そういうふうにみんな思っていると思います」
安仁屋「楽しみが多いね。レギュラー陣に割って入るのは本当に大変だ」
緒方「西川や堂林、野間ももう一皮、二皮くらいむけないとこの野手陣に割って入れません。ただ成長するチャンスはいくらでもあります。新しい戦力を、チャンスがあればどんどん使おうと思います。競争です。それがチーム力の底上げにつながります」
安仁屋「激しい競争があって今のチームがあるということ。これからもカープの強さは続いていくと思うし、リーグ3連覇というのは本当に間違いない。あとは日本一。ぜひ緒方監督には頑張ってもらいたい」
緒方「去年、日本一を達成できなかったのは自分の責任でもあるし、ファンの方には本当に申し訳なく思います。今年は球団史上初の3連覇という目標を持ち、その先にある日本一にも挑戦して勝ち取りたい。今年こそ、ファンの期待に応えられるシーズンにしたいと思います」