【金本知憲氏×新井貴浩氏対談5】やらされる練習も必要「阪神の監督の時もガンガンやらせた」
本紙評論家で前阪神監督・金本知憲氏(51)、昨季限りで現役を引退した新井貴浩氏(42)がスペシャルトーク。練習に対する考え方、取り組み方を語った。以下は対談その5。
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両氏ともに「やらされる練習も必要」という持論を語り、プロ野球選手にとっていかに練習が重要かを説明した。
(昔から広島の練習量は球界No.1と称されてきた。若かりしころを猛練習で乗り越えた金本氏と新井氏。それぞれが練習への意識について語った)
-2人とも現役時代を見ていたら、練習量がすごかった。
金本「新井は“やらされた人”。俺は自分でやったし、やらされた人(笑)」
新井「広島に帰ってからめっちゃ自分でやりましたよ。もともと練習が好きなタイプじゃないですけど…。やらないといけないと思ってやる方だから」
金本「やらないといけないんだけど、ついつい怠けるのが新井よ。人間は誰だってね。俺だってやっぱり負けたもんね。やっぱり後悔ですよ、それは。自分でスイング習慣をつければ、100%成績が上がったから。確固たるものがあるのに、横着やからさ。3割打っているし、30本打っているしって。あとは内容のある打席、チャンスで打てばいいじゃんというのがあったから。そのスイング習慣をシーズン通してずっとやっていたら、相当、違う数字は残ったと思うよ。それはやっぱり自分への甘えですよ。後悔ですよ、引退会見で言ったね」
新井「自分も思ったんですよ。もっと練習しておけばよかったなって。引退会見の時にギャグで言おうと思ったけど…言えなかった(笑)」
金本「そらもう、新井は練習の虫というイメージがあるからね。イメージはよ。だから俺はいつも『こいつは違うんじゃ!!』と言ってたやん。練習しないし、考えることもしなかったから、こんだけ成長が遅れたんやでって言いたい」
新井「でも練習はすさまじくやらされましたよ」
金本「やらされただけやろ?」
新井「だからもっと練習しておけば良かったって(笑)」
金本「だから周囲に打たせてもらった2000本やろ(笑)使ってもらって、使ってもらって、チャンスを与えてもらって」
-広島時代、山本浩二監督が「やらされる練習も必要だよ」と言っていた。
金本「僕はまったく同じ考えでね。タイガースの監督の時も、最初はそれくらいやって当たり前なんだよ、これくらいやらないとうまくならないよってガンガンやらせた。あと考えないといけないよって。そのステージというか、振る量は振らせてきたし。前のカープで言うと、江藤は水谷さんにマンツーマンでやらされてな。江藤もそんなに自分でやるタイプではないから」
新井「僕は1年しかかぶってないから分からないですね」
金本「のんびりして、打てない日もあるよ~みたいな感じで。だから水谷さんがいなかったら、江藤という選手はいなかったと思うよ。新井もそうでしょ?やらされたタイプは。あと俺とか緒方とか前田は自分で追求してやっていたタイプだったから。分かれるんですよ、選手は」