【大山×狩野氏対談1】激白!4番の苦悩 痛恨走塁ミス…直撃に本音で語った
開幕から全試合で4番を務める阪神・大山悠輔内野手(24)を、デイリースポーツ評論家の狩野恵輔氏(36)が直撃した。若き4番はプロ3年目で任された4番としての苦悩と覚悟、開幕前に矢野監督からかけられた言葉、掛布2軍監督(現SEA)から学んだ4番論などを語った。シーズンを折り返し、改めて全試合で4番を務め上げ、結果を残すことを誓った。以下は対談その1。
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狩野「開幕から全試合4番を任されているわけだけど、ここまでで満足している部分、足りない部分って今、どう感じている?」
大山「満足していることはないですね。唯一、ケガをしないでここまでこられていることだけは、いいことかなと思っています。でも、成績のことに関していえば、満足していることは一つもないです。むしろ、まだまだというか…物足りないっていうのは、自分自身が一番感じている部分ではあります」
-交流戦を終え、チームトップの10本塁打、46打点でシーズン折り返し。得点圏打率も・286まで上昇した。
狩野「そんなに悪いとは思えないんだけどさ。大山自身は、何が一番足りていないと感じているの?」
大山「得点圏打率にしても、いざ大事なところで打席に立ってみたら、やっぱり打てていないというか…。(16日のオリックス戦では)同点の十二回の最後の最後で決めきれなかったり(2死二、三塁で空振り三振)、ここ一番の大事なところで自分自身が結果を出せなかったりということが一番感じているところです。(19日の楽天戦では)初回に先制スリーランを打って、そこはチームとして先制点がほしい場面で打てたのでよかったんですけど、最後九回に自分が決めきれていれば勝っていた試合なので(1死一、三塁で遊ゴロ)」
狩野「変な話、先制点より最後の1点が重いってことだよね」
大山「試合を決める意味でも、そうですね。最終的に勝たないといけない。先制点も意味がないとまではいえないですけど、勝つことが重要なので」
狩野「みんなそれだけ大山に頑張ってほしいっていう思いがあるからね。矢野監督の思いも感じるでしょう?唯一、大山だけ先発から外してないから」
大山「シーズン前に矢野監督とは話をして、『4番として打てるとき、打てないときがあると思うけど、打てなくてもしっかり堂々とするように』って言われました。この前、走塁ミスをしたときも(※注1)次の日に話をする時間があって、そのときも『あの走塁ミスはやってはいけないことだけど、やってしまったことは取り返せない。どうやってここから自分を変えていくか』って言ってもらえた。それからは自分自身で、どうやっていくかを考えられるようになりました」
狩野「監督のそういう言葉ってうれしいよね」
大山「ああやって言っていただけるとうれしい。あの走塁ミスも忘れることはできないというか、今後の野球人生にもつながってくると思う。ミスをしてしまったことはよくないですけど、そこをどうやって生かしていくか考えていきたいですね」
(※注1)15日・オリックス戦の六回2死一塁で、一走だった大山が福留の二遊間への高いバウンドのゴロで二塁に滑り込まずに、ベースを踏んだ。一度はセーフと判定されたが、オリックスのリクエストによるリプレー検証でアウトに覆った。矢野監督は試合後の会見で「悠輔のプレーが残念でならん。チームの士気も上がらんし、ファンに失礼だし。野球を見ている子供たちに対しても、何のプラスにもならない。スライディングせえへんていうのは、もう論外」と叱責(しっせき)した。