富士フイルム新製品発表会の囲み取材に出てきた木下優樹菜（２７）がなんだか取材陣をキョロキョロと見回している。どうやら誰かを捜しているようだ。

　木下は「前の会見に来てくれた方、いないですよね」とわれわれにたずねた。

　聞けば、７日に行われたイベントで、妊娠について聞かれた時、妊娠していないとうそをついてしまったそう。「謝りたい」と探していたのだという。７日のイベントでは「どうしても言えない事情があった」といい、「うそをつくのは本当につらい！本当にごめんなさい！」と頭を下げた。つわりが治ったのも「うそをついていたから、発表して気が楽になった」からだという。彼女の律儀さに驚かされた。

　「女子高生・女子大生が選ぶ理想の母親」第１位に２年連続で選ばれている木下。本人は「いいんですか？優樹菜で」と恐縮していたが「ブログやインスタグラムで私の適当な子育ても全部さらけ出してますが、それでもあこがれてくれるのはうれしい」と素直に喜ぶ。中には批判する人もいると言うが「全然聞こえてこない！響かない。上等！痛くもかゆくもない。そういう人ほど気にかけてフォローしてくれてるんですよ」とサラリ。ＳＮＳの炎上や、街中で一般の人に怒ったという報道もあったが、きっと彼女なりの理由があったのだろうと思う。

　かつては「おバカタレント」として名をはせた木下。だがこの日の受け答えを見る限り、質問への返答はきわめて的確。まっすぐで、前向きで、豪快で、人情に厚い…「良妻賢母」の一面も見せた。こんなお母さんに育てられた子供は幸せだろうなと思う。そんなところが「理想の母親」に選ばれた理由かもしれない。

　会見の最後では「お腹目立たないって言われるんですけど、脱ぐとちょっと出てますよ。『とにかく明るい安村』さんのネタもできます」ときっちり笑わせて締めた。

　木下のお腹の中にいる「ベビモン」ちゃんの誕生は１１月の予定。世にママタレは多いが、木下はこれからも活躍し続けるだろう、と思った。

（デイリースポーツ編集委員・原田智恵）