佐藤、畑山氏ダメ出しに「やりすぎた」
ボクシングのWBC世界スーパーフライ級王者・佐藤洋太(28)=協栄=が初防衛から一夜明けた9日、都内の協栄ジムで会見を行った。元世界2階級制覇王者・畑山隆則氏が、デイリースポーツの評論で得意の挑発的な幻惑殺法に苦言を呈したことにしょんぼり。初防衛成功にも笑顔は少なかった。また、同バンタム級4位・亀田和毅(20)=亀田=の対戦表明には前向きで、同ジムの金平桂一郎会長(46)も「オファーを出す」と明言した。
「ショックですよ。あの畑山さんが言うんですから」。佐藤は前日のV1を伝えるデイリースポーツを見て肩を落とした。畑山氏の評論記事で「やめた方がいい。品が下がる。やる暇があったら手を出せ」と、挑発的でトリッキーな幻惑殺法に苦言を呈されたからだ。
畑山氏は佐藤にとって「あこがれの人」。その言葉は「ちょっと凹(へこ)んでいます」と、重く響いたようだ。また、浩子夫人からも同じことを言われたという。「自分を精神的に支えるためだった。やりすぎてしまった」と、反省の弁ばかりだった。
それでも、金平会長、新井史朗トレーナーは「あれが佐藤のスタイル。試合も落ち込む内容じゃない」と理解を示し、佐藤も「今までの概念にとらわれない、新しいチャンピオンになりたい」と特徴の変則スタイルを継続していく。
前日の試合後、亀田3兄弟の三男・和毅と父・史郎氏がメキシコ開催を視野に対戦希望を表明したことには「誰の挑戦でも受ける気持ち。会長に任せます」と受けて立つ構え。金平会長も「メキシコでやる意味が分からないけど、条件次第。向こうが言う“しこり”もない。オファーを出します」と明言した。
次回防衛戦のプランは和毅戦以外にもある。金平会長は「時期は10月末か11月になるでしょう。テレビの問題があるが、東北で佐藤と同じ岩手出身の八重樫東選手とのダブル世界戦が理想」と話した。あこがれの人の言葉を薬に“らしさ”を貫きV2戦へ備える。