八重樫、3階級上げて佐藤に挑戦プラン

 ボクシングの前WBA世界ミニマム級王者・八重樫東(29)が21日、所属する横浜市内の大橋ジムで本格的に練習を再開。同ジムの大橋秀行会長は、八重樫をWBC世界Sフライ級王者・佐藤洋太(28)=協栄=に挑戦させる意向を明らかにした。協栄ジムの金平桂一郎会長も前向きな姿勢を見せ、両陣営が岩手出身の新旧王者対決実現へ動きだした。

 夢の対決が急浮上した。6月20日に当時のWBC世界ミニマム級王者・井岡一翔(井岡)との王座統一戦で敗れた八重樫。次戦の相手に浮上したのは、同じ岩手出身の“弟分”、家族ぐるみの付き合いがある佐藤だった。

 大橋会長は、年内に復帰戦、ミニマム級からSフライ級までを視野に来年にも世界再挑戦させる意向だった。だが、以前に金平会長が佐藤の次戦の東北開催と八重樫の出場を希望していた話に及ぶと「だったら、試合をやりましょう」と驚きの提案。「佐藤君なら、次でもいい」と積極的な姿勢を示した。

 この話を伝え聞いた金平会長は「びっくりしました。目から火が出た」と驚きながらも「検討に値する。後日、話をさせていただきたい」と前向きだった。井岡‐八重樫戦を放送したTBSの北村公一郎プロデューサーも「いいですね。盛り上がるでしょう」と興味を示した。

 この日はミット打ち、シャドーボクシングなどで汗を流した八重樫は「願ったりかなったり」と大いに乗り気。“弟分”と戦うことへの抵抗には「生意気なところがありますから、つぶさないと」と笑いを誘った。実現すれば日本初の2階級飛ばしでの複数階級世界挑戦。ウエートが気になるが「むしろ、しっかり体をつくれる」と歓迎。突如わき上がった“みちのく対決”。実現へ急加速だ。

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