清水が引退発表…将来は政界進出?
ボクシングの前WBA世界スーパーフライ級王者・清水智信(31)=金子=が10日、都内の所属ジムで会見を行い、現役引退することを発表するとともに、将来的な政界進出を示唆した。今後は当面、出身地の福井市でボクシングのトレーニングを取り入れたフィットネスジムを経営し、アマチュアボクサーの育成なども行う。
涙はない。清水は「前の試合で負けた後、悔しい気持ちが湧かなかった」と、引退の理由を説明した。決断したのは7月。ジム側にはフライ級に下げて2階級制覇を狙う考えもあったが「しばらく休んだが、もう一度目指そうという気持ちにならなかった」と、闘魂に再び火がつくことはなかった。
昨年8月に世界王者を奪取するも、右眼窩底骨折を理由に休養王者扱いにされ、今年4月に正規王者・テーパリット・ゴーキャットジム(タイ)との統一戦を行い、9回TKO負け。試練に見舞われたことを「いろいろあったが、昔のこと」と振り返ったものの、「あの問題がなければ、2階級制覇を目指す気になれたと思う」と、本音も漏らした。
今後は出身地の福井市でボクシングトレーニングを取り入れたフィットネスジム「Box Style」を経営する。「興行のことはよくわからない」とのことで、ボクサーの育成はアマチュアのみ行う。
ローカルのテレビCMに何本も出演するなど福井で高い知名度がある清水は、大きな夢も抱く。7月に自民党福井県連の「ふくい政経アカデミー」の2期生として入校。「今は考えていないが、一つの道として勉強している」と、将来的な政界進出を示唆した。故郷に帰る“スピードスター”の第二の人生のゴングが鳴ろうとしている。