佐藤洋太V2防衛へ因縁“ヤンキー対決”
「WBC世界Sフライ級タイトルマッチ」(12月31日、大田区総合体育館)
ボクシングの3大世界タイトルマッチが12月31日に大田区総合体育館で行われることが19日、発表された。WBC世界スーパーフライ級王者・佐藤洋太(28)=協栄=が同5位・赤穂亮(26)=横浜光=と2度目の防衛戦、WBA世界スーパーフェザー級王者・内山高志(32)=ワタナベ=が同暫定王者で1位ブライアン・バスケス(25)=コスタリカ=と王座統一戦となる6度目の防衛戦を行い、防衛3度のWBA世界スーパーフライ級王者テーパリット・ゴーキャットジム(23)=タイ=に同14位・河野公平(31)=ワタナベ=が挑戦する。
因縁の“ヤンキー対決”だ。佐藤と赤穂は昨年8月に対戦予定だったが、赤穂の負傷のためキャンセル。世界の舞台で再び対戦の機会が訪れた。佐藤は「ずっと戦いたかった。国内にこんなに強い選手がいるのに、自分が世界王者なのはしっくりこなかった。これは運命じゃないかと思う」。赤穂も「昔から佐藤選手を意識してきた。彼がこの階級で一番強いと思っている」と、お互いの思いを打ち明けた。
佐藤はトリッキーな変則スタイル、赤穂は強打が武器のファイターと、タイプの違う2人だが、共通点がある。元ヤンキーだ。佐藤はやんちゃキャラで知られ、今夏には著書「不良ボクサー母校へ帰る」を出版。赤穂は高校を2年で中退。その理由は「警察にしょっ引かれるかもしれない。殺しはしてないですけど」という恐るべきものだ。
佐藤は「顔が怖い」と赤穂の“顔力”に押されながら「町のケンカでは負けるかもしれないが、リングでは違う」と自信を見せた。赤穂は「彼の過去の相手や発言を見るとおとこ気を感じる」と敬意を払い、「面白い試合なら自分、つまらない試合なら彼が勝つ」と、不敵に言い放った。大みそかに“男と男”のプライドをかけたゴングが鳴る。