長谷川3階級制覇へ 次戦Sバンタム級
「ボクシング10回戦」(12月22日、神戸市立中央体育館)
ボクシングの元世界2階級王者でWBCフェザー級2位の長谷川穂積(31)=真正=が22日、神戸市内で練習し、3階級制覇を視野に入れていることを明かした。復帰第2戦は12月22日に神戸市中央体育館で、1つ階級を下げたスーパーバンタム級でのノンタイトル10回戦(相手は未定)に決定。その試合の手応えによって、次の世界挑戦は現在のフェザー級か、未知のスーパーバンタム級かを判断する。
長谷川が新たな目標に挑戦する。これまでにWBC世界バンタム、フェザー級の2階級で世界王座を獲得。復帰第2戦では、その間のスーパーバンタム級で自らをテストする。「自分でやってみようと決めた。(世界挑戦は)動ける方で」と胸のうちを明かした。
フェザー級では、昨年4月にジョニー・ゴンザレス(メキシコ)に敗れて世界王座から陥落。今年4月の復帰戦では、WBCスペイン語圏同級王者のフェリペ・カルロス(メキシコ)に7回TKO勝ち。それでも、長谷川には迷いが残った。
所属する真正ジムの山下会長は「4月の試合では、対戦相手の体がひと回り大きく見えた。長谷川も試合後に『自分はスーパーバンタム級の方が向いているのかな』と思ったらしい」と説明。長谷川の考えに理解を示し、スーパーバンタム級への挑戦を認めた。
フェザー級への未練の1つに、13日(日本時間14日)に米国でWBCスーパーバンタム級名誉王者の西岡利晃(帝拳)に勝ち、世界4階級覇者のノニト・ドネア(フィリピン)の存在がある。近いうちに、同級の世界王座を返上して、フェザー級への転向が濃厚。長谷川は「フェザー級では世界2位だから、相手にとってメリットがあるかな」と対戦意欲を刺激される。
陣営は次戦を世界挑戦への前哨戦と位置づける。世界のメジャー4団体で日本では未公認のIBFとWBOも、来年には認可される見通し。長谷川にとっては、新タイトル挑戦のチャンスが増える。山下会長は「何を狙うかは未定だが、頭の中にはある」と話し、長谷川も「面白い」と興味を示す。世界王座のベルトを失って約1年半。モチベーション維持のために、長谷川は未知への挑戦で己を奮い立たせる。