山中がパワー「2割増し」でKO宣言

 「WBC世界バンタム級タイトルマッチ」(11月3日、ゼビオアリーナ仙台)

 王者・山中慎介(帝拳)と挑戦者のトマス・ロハス(メキシコ)が29日、都内の帝拳ジムで練習を公開した。2度目の防衛戦となる山中は、前回の防衛戦の際に対策として変更した得意の左ストレートの軌道を元に戻した。「2割増し」というほどパワーアップし、KOを宣言。ロハスもSフライ級に続く2階級制覇に意欲を見せた。

 山中は打ち上げとなる2ラウンドのスパーリングなどで汗を流した。ミット打ちでは得意の左ストレートで何度も大きな音を響かせた。担当の大和心トレーナーが「今までで一番。2割増しぐらい」と話したほどのパワーアップだ。

 理由は2つある。一つは体幹強化の成果。もう一つは、背が低い前回のダルチニャン対策として、上からかぶせるようになっていたパンチの軌道を修正。相手が長身のロハスに変わり、元の真っすぐ打ち抜く形に戻したことだ。山中は左を武器に「チャンスがあれば中盤ぐらいに狙いたい」とKOに意欲満々だ。

 自身が「天使(10・4)の日」と呼ぶ4日に長男・豪祐(ごうすけ)君が誕生。夫人が、実家のある沖縄で出産したため、東京で調整する山中は1泊2日の強行軍で会いに行った。「元気をもらったし、勝って迎えに行きたい」と勝利を約束した。

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