五十嵐をデーモン閣下映像で“応援”
「WBC世界フライ級タイトルマッチ」(11月3日、ゼビオアリーナ仙台)
“地獄”からパワーをもらって歴史に名を残す!王者・五十嵐俊幸と挑戦者・ナルバエスが30日、都内の帝拳ジムで練習を公開した。王者は、元五輪代表の日本人世界王者で史上初の防衛成功を宣言。試合当日は会場でマルチタレントのデーモン閣下から映像で応援メッセージが流されることも分かった。挑戦者はWBO世界Sフライ級王者の兄オマールと一緒に汗を流し、急逝した父に勝利をささげることを誓った。
アテネ五輪代表だった五十嵐が快挙を狙う。過去、日本人で五輪代表から世界王者になったのはロイヤル小林、平仲明信と3人のみ。小林と平仲は防衛に失敗しており、五十嵐が成功すれば史上初の快挙となる。前日にスパーリングを打ち上げ、この日はミット打ちなどで調整した五十嵐は「初防衛戦は緊張や難しいイメージもありますが、歴史に名を残したい」と、快挙達成に意欲を見せた。
試合当日は“地獄”からのパワーが後押しする。五十嵐は「一緒に食事して直接交渉したんですが、都合がつかなくて…」と、前戦に続き親交のあるデーモン閣下の来場をお願いしたが、実現しなかった。しかし、閣下の計らいで入場曲として使用している閣下の持ち歌「エルドラド」を特別アレンジ、映像メッセージも流される。王者は「光栄です。勝って、会ったときに報告できればいい」と防衛を誓った。
チャンピオンになってから進境は著しい。テクニック主体のアウトボクシング型から「自信がついて、接近戦もできるようになった」とボクシングスタイルに幅も出てきた。葛西裕一トレーナーは「半歩前で打てるようになって、パンチの入りが深くなって威力が増した」と成長を認めた。試合当日は故郷・秋田県から200人の応援団もかけつける。快挙を成し遂げ、王者にふさわしい力を証明する。